1ページ目から読む
2/5ページ目

「宣誓! 我々はジャニーズ精神に則り、正々堂々と戦うことを誓います!」

――とは、かつて開催されていた「ジャニーズ大運動会」で選手が高らかに叫んだ宣誓の言葉です。

 圧倒的な魅力と誠実さをもって人々の心を支え、思いきり愉しませること。それこそがジャニーズの精神であり、他にはない“ジャニーズらしさ”だと、永く信じてきました。

ADVERTISEMENT

 けれど、その裏で許しがたい悪夢が紡がれていたのなら、もはやのんきに魔法に酔っていることはできません。いちファンとしても刮目して事態を見つめ、自分事として考える義務がありましょう。

 ジャニーズにはファンのためにも潔く仕切り直し、事務所の“よきイズム”だけを引き継いだ新たなスタートを切ってほしいと願います。

 ファンが胸を張って応援できる存在に、生まれ変わってほしいのです。

ジャニー喜多川氏の性加害について動画で謝罪をした藤島ジュリー景子社長

……それなのに、ようやく私たちの前に現れたのは、生身でなく自社サイトの動画に納まった現ジャニーズ代表・藤島ジュリー景子氏の映像でした。

 頼りなく侘しい思いが、胸に広がります。

「推しを応援したいだけなのに事務所も潤ってしまう」

 タレントの活動休止や退所など、あまり喜ばしくない報せがあるとき、ジャニーズは夜も深まった時間にファンクラブ会員に向けてメールを放ちます。しかもそのメールに詳細は書かれておらず、わざわざ会員サイトにアクセスしなくては内容がわかりません。積極的に見てほしくはないのでしょう。

 けれど今回の謝罪動画については、そうした会員向けのメールさえ来ませんでした。最大の顧客であるファンへの説明も、省かれていたのです。

 ジャニー氏の疑惑への対応で、「わざとか?」と思うほど悪手を打ち続けるジャニーズに再生の途はあるのでしょうか。

Sexy Zone(Johnny's netより)

 故ジャニー氏の性加害報道が過熱するなか、Sexy Zoneファンの友人は23枚目となる新譜「Cream」をオリコン1位に載せるべく奮闘していました。

 彼女はCDをレジに運ぶたび、「とにかく買わなきゃ1位を取れない。でも、このお金って推しの応援にもなるけど、あの事務所の糧にもなるんだな」とジレンマに陥っていたと言います。

「問題に向き合わない事務所を支えようとは思いません。なのに、買えば買うほど事務所は潤ってしまう……。純粋に推しを応援したいだけなのに、お金も気持ちも、どう扱ったらいいのかわからなくて辛いです。いっそ、推しグループを抱き上げて、清らかで安全な場所に移したい……!」

 冗談まじりに話す彼女に相づちを打ちながら、私の胸には滝沢秀明さんが立ち上げた新会社TOBEが思い浮かびました。