2023年5月22日、King & Princeのメンバー、平野紫耀さん、岸優太さん、神宮寺勇太さんの3名がグループから脱退、事務所から退所します(※岸さんのみ今秋退所)。続いて同25日にはジャニーズJr.・IMPACTorsのメンバー7名が全員退所し、時期は未定ですが、Kis-My-Ft2の北山宏光さんも事務所を離れるとの報道がありました。

 彼らに先がけて2022年12月31日にはSexy Zoneのマリウス葉さんが、2023年5月2日には三宅健さんがジャニーズ事務所を退所しています。

 故ジャニー喜多川氏による性加害問題で揺れる事務所から、“ジャニーズ”を形作っていたアイドルたちが、続々と去っていきます。

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キンプリに続き、退所を決意したという「IMPACTors」

 名前こそ“ジャニーズ”のままでも、血肉ともいうべきタレントたちがぞろぞろと抜け続け、“ジャニーズらしさ”である独特の世界観も封じられたら……それはいつまで“ジャニーズ”と呼べるのでしょうか。

 ジャニーズ事務所は「チャーリーとチョコレート工場」のチョコレート工場に似ている。ずっとそう思ってきました。

 誰もが夢のチョコレート工場に入りたいと願い、金のチケットを求めて躍起になるように、芸能界を目指すあまたの少年たちがジャニーズと縁づくことを望んできました。

「私の推しはジャニーさんという天才に見いだされたのよ!」

 私はジャニーズを「ジャニー氏の“魔法の呼び声”で集められた少年たちが、ひたむきに切磋琢磨し正統派アイドルとして成長、活躍する集団」と定義づけてきました。

 志望者は、「ダンスの芸術点が何点だから合格」といった明朗な基準というよりも、ジャニー氏の気まぐれや審美眼といった見えない糸に引き上げられて、王国に入ります。

 おそらくは大きく運にも左右されるこのファンタジックな仕掛けに、私たちファンも長く魅了され幻惑されてきたのだと思います。

ジャニー喜多川氏

「私の推しはジャニーさんという天才に見いだされたのよ!」という誇りと驕りも、この胸に確かにありました。

 男性アイドル事務所のトップとして半世紀以上君臨してきたジャニーズの華やかなステージは、他の追随を許しません。

 エンタメだけに留まらず、災害などの際にすぐさま「Marching J」、「Johnny’s Smile Up! Project」といった支援事業を立ち上げ、募金や物資の援助、被災地への電源車の提供などを実現してきた事務所でもあります。