東京都や特に千葉県の上水道のほとんどは利根川水系の水を使用しており、千葉県民である私にとってはライフラインの基盤でもある身近な河川だ。
群馬県の大水上山を水源として、流路延長は322km。直線距離にすると河口部の銚子港から日本本土を横断して新潟県の佐渡島まで届くほど果てしなく長い。こんな広大な河川でアオウオの生息地を闇雲に探すのは不可能であるため、先人が書物に残した叡智を頼りにポイントを絞り込んだ。
またWEB版(青魚倶楽部)でも、アオウオやその他の中国四大家魚のノウハウまで記されており、この道を通るには欠かせないサイトだ。
アオウオは「カーブで釣る」
アオウオのポイントを絞り込むうえで重要な要素は川のカーブだという。川の流れは一定ではなく、カーブの内側に比べて外側は流速があるため川底が掘れて水深が深くなる。そういった「駆け上がり」をアオウオが回遊する。またカーブの外側は、急流による浸食防止策でテトラポッドが詰まれていたり石積みや杭などで護岸されているため、アオウオの餌となるタニシや甲殻類などの生物が豊富にいることも好条件になっている。
300km以上もある利根川でも、河口から順に上記のポイントを絞り込めば、釣り場を散策する時間は省略できる。5ヵ所ほど目星を付けて、実際に釣り場を確認しに向かった。
現地に到着すると、まずは地形の把握からスタート。ラインに15号のオモリを結んで付近の水深をチェック。岸から30mの範囲で深場を探していく。一方でテントを張って野営できるスペースがあることも重要になる。
最終的に決めた釣り場は、護岸整備されていない砂地。流れで川岸が浸食され、足元から最深部で4mほど落差がある絶好のポイントだった。早速テントを張って釣りを開始した。