©mitsuhiro YOSHIDA/color field

「この作品のテーマはLGBTではなく、人間が自由に生きるとはどういうことなのか、多様性がいわれる時代への問いかけだと思います。そういう世の中の変化や新しい動きを初めに示すものがアートではないでしょうか。アートに性別、出自、国籍は無関係です。だからこそこの問いかけが世界中に広がっていくとよいのですが」

 2月24日より全国公開される『ナチュラルウーマン』で、主人公マリーナを演じるダニエラ・ヴェガさん。この作品は交際する男性を突然失ったトランスジェンダーの女性が、遺族や社会の偏見と闘う物語だ。ヴェガさん自身も体と自覚する性の間に違いを感じながら、女優、また歌手としてチリで活躍している。

「異質な者として言葉や暴力で虐げられるマリーナですが、決して力でやり返すことはしません。愛する人を失い、痛みを抱えながらも、耐え、人間としての尊厳を持って対峙するのです」

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 実生活では幸せだというヴェガさん。映画は2月に第32回ゴヤ賞で「イベロアメリカ映画賞」を受賞し、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされている。

「満ち足りた思いです。でも評価は後からついて来るもの。これからも今までどおり、自分の役を演じていくだけです」

INFORMATION

映画『ナチュラルウーマン』
2月24日公開
http://naturalwoman-movie.com/