気に入った野球少年の家にまでついていく山下容疑者
「山下容疑者は、公園Bで野球をしている小学生くらいの少年たちに声をかけていたようです。最初は『投げ方教えてあげるよ』と気さくな感じで声をかけてきて、子どもたちに近づいてきたそうです。子どもたちの間では“やっちゃん”というあだ名がつけられていたようです。公園Aでお菓子を配っていたそうですが、こっちの公園でもお菓子を配る姿は見かけました」
一見すると、野球好きのおじちゃんが少年たちに野球を教えるほほえましい風景にも思える。実際に山下容疑者になついていた子どももいて、しばらくは問題も起こさずにいた。しかし、山下容疑者の子どもへの執着は常軌を逸していたのだった。
「素直に言う事を聞いていると、山下に気に入られてしまって家までついて来られることがあったようなんです。それも一人ではなく、何人も被害にあっている。『○○くんいる?』と何度もインターホンを鳴らして、無視してもなかなか帰ろうとしない。怖くなって警察を呼んだ人もいるそうで、保護者の間では危険人物として知られるようになりました」(同前)
「釈放されたら同じことを繰り返すのではないか」と恐怖心…
山下容疑者が起こす騒動は次第に公園から範囲を広げていく。ついに山下容疑者は公園に集まる子どもたちが通う小学校にまで暴走行為をくりかえすようになった。学校関係者が当時を思い出し、怖気を震う。
「ちょうど1年くらい前のことでした。小学校に山下容疑者が押しかけることが何度かあったんです。朝の時間に、『校長を出せ!』と怒鳴っていたといいます。結局、校長が面と向かって『子どもたちも怖がっています』と伝えたので、その場では『怖がらせて申し訳ありません』と謝罪の言葉を口にしたそうなのですが……」
取材に応じた近隣住民はみな、口をそろえて「山下容疑者が釈放されたら同じことを繰り返すのではないか」と恐怖心をあらわにした。
数々の暴走行為の末に凶行に走ってしまった山下容疑者。何度も事件の前兆はあったにもかかわらず、事件を未然に防ぐことができなかったことが悔やまれる。