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「人生でもっとも苦しかった」子供が生まれたときの全財産は500円くらい…六角精児(60)が明かす『相棒』出演時の借金苦の実情

『六角精児の無理しない生き方』より #1

2023/06/09

genre : エンタメ, 芸能

note

もうギャンブル依存の世界には戻りたくない。でも自分のことも信じていない

 借金をすべて返し終えたときに、なんだかわからないんだけど「ザマアミロ!」って気持ちがどこからか湧いてきたんですよ。それが世間や他人に向けてなのか自分に対してなのかもわからないんだけど、とにかく浮かんだのは「ザマアミロ!」って一言だったなぁ。

 それからは見える世界がかなり違ってきましたね。ありがたいことに、そのころドラマ「電車男」でわりと大きな役をもらったり、「相棒」も長く続くうちに僕がやっていた鑑識・米沢守役の出番も増えて、主役のスピンオフ映画も作られたりで、だんだんと忙しくなってきたんです。

「ある程度の金額までやるのは仕方ない」と思うように

 面白いのはドラマの視聴率が20%を超えたとき、翌日歩いてると周りが自分を見る目が昨日までとはぜんぜん違うんです。「これはいったいなんだ?」って驚きはあったけれど、僕はギャンブルや借金で本当に酷ひどい思いをしているから、みんなの目が違うからといってうわついた気持ちにはぜんぜんならなかった。もうあの依存の世界には戻りたくないっていう思いが強いんです。

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 ただ、これからまた仕事がなくなって時間ができてしまったら、依存の世界に戻る可能性は大いにありそう。実際にいまでもヒマができたときにはギャンブルをしているから、ちょっとヤバイなと思いますね。一つの予防線として「ある程度の金額までやるのは仕方ない」と思うようにしています。なにしろ自分というものを信じてないから(笑)。その限度額を超えないように、持っているお金は奥さんに渡しちゃうのがいいかも。それで一日の小遣い制にすれば大丈夫かもしれない。

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