自分なりのルールを決めて「もっとよくなるヒント」を提案
やがて宿泊施設の関係者から、コメントをもらうようになった。
「私はホテル勤務で、車椅子のゲストも対応させていただいています。でも、お部屋でどう過ごしているかはわからないから、とても勉強になりました」
私はそこまで考えていなかったけど「そうか!」と思った。ホテルや旅館で私も配慮してもらうけれど、入口、フロント、レストランだけで、荷物を運び入れたあと、部屋の中で一緒に過ごすことはない。
こっちが発信しないと、部屋を車椅子ユーザー向けにセッティングする側も、どうすればいいサービスになるか、知るきっかけがないと気づいた。
「車椅子ユーザーがちゃんと言わないとダメなんだ」と投稿を増やした。もちろん私は「車椅子ユーザー代表」じゃない。感覚がないけど足がある人もいるし、「バリアフリー」と一括りにまとめようとしても、何がいいかは人によって違う。
〇あくまで1つの意見として言おう
〇自分が正しいとか、自分中心で発信するのはやめよう
〇いつも「反対側の立場だったらどうだろう?」と考えよう
自分なりには、こんなルールにしている。
宿泊施設でもレストランでも駅でも、「障がいがあるから、なんとかしてください!」と一方的に要求されたら、困ってしまうだろう。
ルールや安全性、責任を意識しなければいけないサービスする側の人のことも考えながら、「もっとよくなるヒント」を提案していきたい。
キャバ嬢スカウトと歌舞伎町のナンパ
あちこち出張し、日本はバリアフリー先進国というわけじゃないと感じた。
私は快適に過ごしているけど、車椅子だと行きにくい場所も残っている。
何より人の心の中のバリアは、まだあるんじゃないかな。
「障がいがある人を見つけたら、どうしたらいいかわからない」とか、健常者同士の差別や偏見とか、いろんな壁がある。
だから私は、それをぶち壊す仕事を当分は続けるつもりだ。