「あと駅はちゃんと現地に行って、使い心地を体感・評価したほうがいいですね。地下鉄の駅が深くて、地上からホームまで辿り着くのに時間がかかるとか、乗客数に対して駅のホームが狭くてラッシュ時には人が溢れかえってしまうとか、あまりオモテに出てこない細かい部分が、毎日の通勤ではストレスになりますから。
ほかには駅の北口と南口の自由通路が少なくて、行き来が面倒とかもイヤになりますよね。交通関係は乗ってからのアクセスだけではなく駅の構造や、その周辺まで考えたほうがいいですね」
駅のバリアフリー化などは郊外でも進んでいるが、改札から離れた場所にしかエレベーターが設置されていなかったりすると、幼い子どもを育てている家族にとっては不便だ。
「逆にニューファミリーが多いエリアだと、あらゆる場所で『ベビーカー渋滞』が起きるので、単身者にとってはなにかとイラついてしまうかもしれません。立派な駅ビルがあっても、いつも夜遅くまで働いているので利用するタイミングがないとか、自分のライフスタイルに合わない施設ばかりあるようなエリアは『住んではいけない』といえるでしょう」
災害の危険度が継承されない、新興住宅地
そして、住んではいけない条件として大事なのが災害時のリスクの有無。賃貸はもちろん、マンションや一軒家の購入などを考えている場合は、特に重要視するべき項目だ。
「近年は都心部でも地震や大雨などが頻発しており、河川が溢れてタワマンが浸水したり、地面が液状化するなどの被害が出ました。よく言われることですが、過去に大きな災害があって、その記憶が地名に残っているような場所は危険ですね。
具体的には『水』に関係する漢字などが使われている地名ですが、新興住宅地で新たな住民が多く移り住んできたようなエリアだと、その危険度が継承されず、土地勘もないので災害発生時にパニックになってしまうんです」
災害そのものの発生を防ぐことはできない。肝心なのは住民たちが常にそれを意識しているかどうかだ。