「消防団の活動などが活発な地域はいいと思うのですが、高齢化が進んでいたり、住民同士の横のつながりが薄いと、いざという時に大きな被害が出てしまう。都会的な、隣人との関わりが薄い地域も悪くないですが、防災に関してだけいえば『住んではいけない』といえるかもしれません」
気になる「治安の良さ」は何でわかる?
その他に、街の治安の良さも重要になってくる。誰もが荒んだ街には住みたくないだろう。以前は、駅前にタバコのポイ捨てや放置ゴミが散乱していたり、捨て看板や張り紙、そして放置自転車が多かったりすることが治安の良し悪しの尺度として知られていたが……。
「放置自転車のカゴに空き缶が詰め込まれていたりすると、『あぁ』という気持ちになりますよね(笑)。ただ、近年はどの自治体もこうした問題に取り組んでおり、駅前の再開発と共に違法駐輪の撤去を徹底したり、新たに駐輪場や喫煙所を設置するなどして、見違えるほどキレイになった所が増えています」
荒んでいるかどうかの指標として、警視庁から市区町村別の「犯罪発生件数」は発表されているが、それだけだとどの駅の、どのあたりが危険なのかまではわからない。
「やはり、歓楽街のあるエリアはトラブルが多くなりがちです。が、基本的に住宅街で、駅前にちょっと飲食街があるという程度だったら、それほど気にすることはないでしょう。
例えば『街に暴力団の事務所がある』といわれたら住みたくなくなりますが、昔からある団体などは、地元と線引きができていることが多く、事件も少ないと聞きます。逆にトラブルになりうるのは、いわゆる『半グレ』ですね。夜、商店街などにいきなりできた飲み屋が違法なキャッチを行っているとしたら、運営しているのはこのようなグループの可能性が高いので、トラブルが起きやすいかもしれません」
仕事が終わってやっと駅に辿り着き、帰宅する間にしつこい客引きに声をかけられるのがストレスに感じる人なら、こういった街には住んではいけない。