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 フィットネスクラブの会員カードを売買するところも見かけるようになり、必要なだけ利用資格を買って売ることも習慣化。

「仕事や生活において、自分のアイデンティティやセンスを示すために高級品に頼る必要はない」とばかりに、贅沢品などの必要のないものは買わず、むしろ浪費をせずミニマリストであることが美徳という考えもよく見るようになりました。ほんと若者の考え方は変わりましたよ。10年ほど前の中国人なら所有することが喜びだったけれど、その経験を経て、今は所有することにドライになったのでしょう。

10元店が立て続けに出てきて競争が激化

 振り返れば、中国でコスパ重視のブランドはこれまでも成功例はありました。例えば「ダイソーとユニクロと無印良品を足して3で割ったようなブランド」と言われる「メイソウ(名創優品)」が代表的です。メイソウは「100円ショップ」ならぬ「10元店」の先駆けとして中国全土ばかりか世界規模で展開し、それまでの中国では高価で統一感のなかった雑貨を手軽な値段で買えるようにしました。

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 しかもメイソウに続けとばかりに「MUMUSO(ムムソウ)」や「YOYOSO(ヨヨソウ)」といったメイソウ似のチェーンも出てきて競争は激化。その後、先行するメイソウは2020年10月に米ニューヨーク証券取引所に上場し、商品の供給網であるサプライチェーンを強化。コロナ禍でも比較的安定した商品供給を実現し、10元店の中で抜きんでた存在となっています。

 また表参道にも進出したドリンク・アイスクリームチェーンの「MIXUE(蜜雪冰城)」は、既存の中国のドリンクチェーンに比べて激安で買えることが人気となり中国全土に普及。さらに海外にも展開し、各地で好評に。

東南アジアでも人気のMIXUE

コスパのいいディスカウントショップが中国各地で続々と登場

 また、最近高田馬場に開店したフライドチキンチェーン「正新鶏排」もMIXUE同様、激安で店舗を広げたチェーンです。中国でスターバックス以上に店舗を増やす「ラッキンコーヒー」も元はといえば、配布されるクーポンを利用するとかなりお得になることで人気のチェーンですし、ECや配車やフードデリバリーもクーポンでお得になるサービスが利用者を増やしています。いずれも若者に人気です。