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 プライベートブランドにより中間マージンを排除し、またプライベートブランドを同店ECサイトや実店舗で推していくことで、利益率を高めて中国のスーパーではなかなか難しいと言われる黒字を達成しました。Freshippoを追う他のスーパーも、今後は安くて高品質なプライベートブランドを推すようになるでしょう。

食品を自社で作り原価を下げるFreshippo(FreshHippoのニュースリリースより)

中国がデフレ社会に本格的に突入

 このように中国では、100均ならぬ10元均一や中古市場、プライベートブランドが揃い、安くていいモノを買って使えるようになりました。中国政府も脱炭素社会を推奨する手前、中古などのリサイクルは否定できません。

 中国の首都経済貿易大学教授の陳立平氏は2019年に「中国の小売業界は低価格と品質を両立する商品革命の時代に入る」と分析しています。また中国の大手調査会社「知萌諮詢」の調査レポート「2023年中国消費趨勢報告」によれば、今の中国の若者は盲目的にお得なモノを買うのではなく、必要なモノが安くなったときに買うそうです。

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 中国がデフレ社会に本格的に突入する時期ですが、例えば少子化も驚くほどの“中国スピード”で進んでいるわけで、進むときは想像以上の速さで進むかもしれません。中国式の“もったいない”が面白いニュースを生み出すかもしれないし、中国ならではの驚きの倹約商品や倹約サービスが今後出てくるかもしれませんね。

写真=山谷剛史