倹約上手になるのは若者だけではありません。食品にも倹約の波がやってきています。
中国はコロナ禍において、局地的に感染エリアをロックダウンする「ゼロコロナ政策」を行った結果、不景気となり、2022年後半は不景気がより一層深刻になりました。そんななかで、コスパのいいディスカウントショップなどが中国各地で続々と登場し、一気に普及しました。
いいモノを安く売る量販店が人気
日本人の多い上海では「Hot Maxx(好特売)」というチェーン店が在住日本人にも愛用されているようです。賞味期限切れになりそうな商品などの訳あり商品を激安価格で売っていて、コロナ前からあったけれど、盛り上がってはいませんでした。しかしコロナになってからこれが大きなムーブメントになり、上海などの大都市から中国各地に広がっています。
中国のニュースを読むと、「不景気で消費が落ち込む中での期待のサービス」「消費が冷える中で、いいモノを安く売る量販店が人気」的な書かれ方をしているわけですよ。ああ、これは日本も通った道じゃないかと。しかもいろんな記事で「目指せ、日本のドン・キホーテ」と言わんばかりの文章になっている。
MIXUEやラッキンコーヒーなどは今や1万店を超えているのに対し、ディスカウントストアは伸びているとはいえ、まだ1000店舗にも満たないので、店舗数の拡大はこれからが本番です。大都市だけでなく地方都市でも人口密度の高い商業地にどんどん展開されていき、各地でディスカウントチェーン店同士のガチンコ対決が見られるようになるのは時間の問題でしょう。
スーパーはプライベートブランドで黒字を達成
それだけ店舗が増えていくとなると、メイソウ同様サプライチェーンの構築が大事になっていくわけですが、これも規模の大きいディスカウントストアは既に手をつけていて、プライベートブランドも作っている。
ディスカウントストアではないけれど、おそらく今一番、小売の理想形なのが、アリババグループでカバのマークのスーパー「Freshippo(盒馬鮮生)」です。
「ニューリテール(新小売)」を合言葉に、かつて日本の一部界隈でも話題になるほど最先端なスーパーだったFreshippoは、中国各地の専門の農場や養殖場と提携し、アリババのテクノロジーを活用して生産効率を向上。食品を自社で加工してFreshippoに卸す仕組みを構築しています。