高い人気を誇りながら、6月29日、東京ドームライブを最後に解散する”楽器を持たないパンクバンド”BiSH。彼女たちにしかできないパフォーマンスをずっと披露し続けてきた6人は、解散直前に何を思うのか? そして、今だから話せる真実とは?
6月9日に発売されるスペシャルムック「週刊BiSH春」(しゅうかん・びっしゅん)では、原色美女図鑑から始まって「私の取り寄せ便」に至るまで全編「週刊文春」テイストで、84ページにわたってBiSHを大特集!(※発売は、セブンネットとセブン-イレブンの一部店舗のみ)
その発売を記念して、6人が個別に応じてくれたロングインタビューの中から、解散に関する部分のみを抜粋して掲載する(取材・文=飯田仁一郎、鹿野淳、秦野邦彦)。
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アイナ・ジ・エンドの告白「東京ドーム公演まであと数カ月という時期にあんな怪我をしてしまって…」
——解散に向けて、今の心境はいかがですか?
何をするにも“最後”という言葉が付くので寂しいです。この前も衣装のそってぃー(外林健太)さんとの最後のフィッティングがあって、帰り際に涙が出てしまって。忙しくさせていただいているので、センチメンタルな気持ちに浸る暇もないんですけど。
——そんな中、3月に撮影中の事故で額を負傷して。
鼓動と同じリズムで血が溢れ出たんですよ。スタイリストの友達が抱きかかえてくれて、すぐに救急車を呼んでくれました。頭がボンヤリして、初めて「死ぬんや」と思いました。記憶が曖昧ですが、すごく寒かったです。それに病院もなかなか決まらなくて……友達がずっと「大丈夫だよ!」って声をかけてくれていたんですよ。
病院が決まって移動し始めてからは安心したと同時に、悔しい気持ちになりました。東京ドーム公演まであと数カ月という時期にあんな怪我をしてしまって、BiSHは活動休止するしかないんだろうなって。それからは「こんなところで死にたくない」と思ったり、「それを考えられるなら大丈夫や」と思ったりと、すごく思考がグルグルしていました。
——そして、活動休止に。
自分が待たせるのはおこがましいから、渡辺さんに泣き喚きながら「5人で活動を続けてくれ」と伝えました。「6人でBiSHだから」と言われて納得はしたんですけど、プレッシャーを感じましたね。それに、トイレに行くのも痛くて「なんでこんな痛い思いをしなきゃならないんだ」と塞ぎ込んでいました。でも親友や渡辺さん、お母さん、妹などが家に来てくれて。「スマブラ」をしたりしてたら、だんだん笑えるようになりました。
——それから2週間ほどで復帰されました。
“6人でBiSH”なのであれば、早く復帰するしかないと。自分で決めました。「もう少し休んだら?」とも言われたんですけど、残りの期間も少ないので、あれ以上休むわけにはいかないですから。