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「アプリで20人以上の男性とホテルに…」年収1200万の“美人女医”(44)が「セフレ的関係」も受け入れる複雑な事情

『マッチング・アプリ症候群 婚活沼に棲む人々』より #2

2023/06/15

genre : ライフ, 社会

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 マリさんに異性としても惹かれていたCさんは「自分でよければ」と引き受け、2度目のデートでCさんのGOサインをもらい部屋に遊びにいって男女の関係になった。

「僕の今までの女性経験は90人ぐらい。それなりにはスキルがあるので精一杯がんばり、2回目のセックスで、少しわかったような気がすると言ってもらえた」

 このまま関係を続けていけばいつかは……という期待を持ったが、3回目のセックスの後、別れのメールが来た。

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「あなたとのセックスは好きだが、ちゃんとコミュニケーションが取れない関係が精神的に負担なので、これ以上踏み込めないと。つまり体はいいけど、人間的にはダメと言われたようで結構ショックでしたね」

長く付き合ってから性的に関係を持てばいいが…

 タイムリミット内に「女性としての幸福」を体験してみたい気持ちを聞いてみたくなった私は、マリさんに連絡を取り、多忙な病院の仕事の合間にリモートで話を聞くことに成功した。セミロングを後ろで結んだマリさんはメイクは薄く理知的な美人だ。

「今もお相手を募集中ですか?」と尋ねると、「2、3人とたまに会ったりビデオトークしている」との答えが返ってきた。

「女性としての幸せを実感できる相手と出会えたか?」という質問には、「難しい」との苦笑が返ってきた。

「私の経験が少ないせいか、少しでも心理的に距離を感じると接触が苦痛になってしまって。本当は長く付き合って信頼してから性的に関係を持てばいいのだが、その時間がない」

 子宮摘出したら、もうセックスはできなくなるのか? 疑問に思って聞いてみた。

「妊娠ができなくなるだけで子宮卵巣摘出後もセックスはできる。でもやはり欲望を感じにくくなったとか性交痛が出てしまうとかの声もかなり聞く。心理的なものもあるのかもしれないが。今の状態でそうなってしまうのは女として淋しい」

 セックスの満足度と関係性への満足度は別物だ。