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 みなさんの中には「管理職なんて責任が増えるだけ。昇進なんかしたくない」と強がる人もいるかもしれませんが、私は昇進して喜ばなかった人にお会いしたことがありません。「管理職になりたくない!」と豪語していた人でも、課長という肩書きがついた名刺をうれしそうに出し、はにかんだ笑顔を浮かべていました。

管理職試験の最終面接で落とされる

「管理職など考えたこともない。このまま地味にやっていく」と言っていた私の知人も、「管理職試験」を受けました。彼は決して目立つタイプではありませんでしたが、とても仕事ができる人。先輩や後輩からの人望もあり、「こういう人ほどいい上司になるんだよなぁ」と思える人でした。

 ところが、まさかまさかの不合格! しかも最終面接です。驚きました。というか信じられませんでした。本人もとりあえず流れで受けた管理職試験だったとはいえ、「落とされると、それはそれでショックだわ」とかなり落ち込んでいました。

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 慰めるのもなにか違う気がしたので、「みかんの缶詰くらい送っておいたほうがよかったんじゃない!?」と半分本気、半分冗談で言ったところ、「やっぱり? そういうのって必要なのかなぁ」と本人はマジで納得していました。

40代前半で後輩に追い抜かれたらマンネンヒラ確定

 まぁ、みかんの缶詰はさすがに古すぎですが、いまだにゴルフ外交やら麻雀外交に精を出している人はいますし、上司の家族の誕生日にプレゼントを贈るような人たちもいます。これを「気遣い」と呼ぶか「ゴマスリ」と揶揄するかは意見がわかれるかもしれませんが、「仕事ができる人が昇進するとは限らない」のが会社組織です。

 たかが管理職、されど管理職。課長の平均年齢は48.7歳(前述)。40代前半で後輩に追い抜かれたら、「マンネンヒラ確定!」という現実を受け入れ、正しく絶望してください。くれぐれも「まだなんとかなるかも~」と根拠なき楽観にひたらぬよう。

 もちろん「瓢箪(ひょうたん)から駒(こま)人事」で昇進! なんてこともあるかもしれませんが、むしろ「管理職になれないのって、そんなに悪いことじゃないのでは?」と頭を柔らかくして未来をみつめた方が現実的です。