ほかにも、将来、仕事の都合で他の国に越すかもしれないこともあって、移住しても支障のない形で子供を迎えたかった。それで、最終的に代理母出産を選んだんです。
リカ 説明会などに行って、自分たちでサロガシーとアダプションについて、よく調べたし、相談したし、ふたりで話し合いました。早く決められることではなかったから、結構長く考えて。
みっつん 様々な方法を比較して、自分たちの状況にはサロガシーが一番合っているんではないかと。
子どもを迎えるにあたって、遺言書も作成
ーーどれくらいの時間をかけて決定にいたりましたか。
みっつん 「もし、うちらに子供がいたらどうなんだろ?」と話してから、アメリカのエージェンシーと契約するまで2年かかっていますね。そこから息子が生まれるまで2年なので、トータルで4年くらいです。
どうしても英語の情報中心になるので、リカがメインでやりとりすることが多くて。一方の僕は、日本側の法的手続きなどを調べなくてはいけなかったので。常に「こういうふうになってるけど、どう?」と確認し合ってました。
異性カップルだったら子供を持つまでに、そこまで考えなくていいのにってところまで話し合う必要もありましたし。
ーー「そこまで考えなくていいのにってところ」とは、どのあたりまで?
リカ 遺言書とか。
みっつん もし片方になにかあったらどうするか、もし子供が成人する前に僕らが死んだら誰が彼を見るのか、遺産の分配は誰に行くのか。そういったことをすべて書面に残して、弁護士さんにちゃんとした形で書いてもらうといった準備もしてきました。
リカ そのあたりは、親戚と友達にも相談して。
みっつん もともとは、契約したエージェンシーに勧められて準備したことなんですけどね。産んでくれる女性、生まれてくる子供、僕たちのように親になろうとする人、かかわるすべての人が対等にいられて、そのプロセスにおいて誰かが不幸になってはいけないことを大切にするエージェンシーだったので、僕らもいろいろと学ぶことができました。
出自を知らせる“真実告知”は「年齢に応じて」
ーー養子だと、出自についてその子に知らせる“真実告知”を行うケースがあります。代理出産でも、真実告知をする場合は少なくないものですか。
みっつん 真実告知に関しては、体外受精のクリニックにいらっしゃったカウンセラーさんから、「年齢に応じて伝えていきなさい」とアドバイスをもらいました。子供ってセックスを知らなくても、赤ちゃんが女性のお腹から出てくることは、わりと早くから理解しますから。そういった子供の理解度に合わせて伝えていくのがいいと言われました。