それで、ふたりで息子の様子を見ては「そろそろ言ったほうがいいかな」と、4歳ぐらいの時に伝えたんですけど。スウェーデンは性教育が早くて、幼稚園でそういう話が出たりするので、そのタイミングに合わせて話しましたね。
ーーお子さんは7歳ですけど、いまは完全に理解を?
みっつん 代理母出産の仕組み自体は理解していないけど、自分にはパパがふたりいて、自分を産んでくれた人がアメリカに住んでいることはわかっています。すでにスウェーデンの幼稚園で、友達にそう言っていたそうです。ママという存在は、感覚としてないみたいですね。
リカ でも、生まれてから、代理母とはSkypeとかでやりとりを。
みっつん 代理母の方と交流があるんです。出産前に、僕たちと代理母の方との契約のなかで、「生まれた後の交流をしたいですか?」といった、その後の関わりを決める仕組みになっているんですね。
代理母の方はステファニーといって、僕らもステファニーも交流を続けたいということで合意しています。クリスマスや誕生日にはプレゼントを贈ってくださるし、僕らも向こうのお子さんには同じようにプレゼントをして。あと、息子の誕生日にはフォトブックを贈っていますね。2年前にはアメリカに行って、ステファニーと再会もしました。
一番大事なのは、子供が自分の出自に関して不安にならないこと。大きくなってから伝えられると、親の存在を嘘だと思ってしまって信頼が損なわれてしまう。そうならないように、年齢に応じて伝えていくことが重要というのは言われたことだし、僕たちも本当にそうだなと思って育てています。
スウェーデンでの同性カップルの暮らし
ーーお住まいのスウェーデンでは同性婚が法律で認められていますが、同性カップルの存在はしっかりと社会に溶け込んでいるのですか。
みっつん 面白かったことがあって。僕らはスウェーデンで中古の家を買ったんですけど、そうしたら前のオーナーがふたりママだったんですよ。しかも4人の子持ちで、手狭になったので同じ通りにある広い家を買って、前の家を売りに出したら、今度はふたりパパが買って住むことになったという。
ふたりママの家はめちゃくちゃ近所なので、家に招待してもらって一緒におしゃべりしてますよ。
リカ 周りに住んでいる人たちも、もう慣れていましたね。
みっつん そうそう。「今度はふたりパパですか」みたいな。