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「自分は“悲劇のヒロイン”だと思っていましたよ」撮影中に女性の肛門を破壊…AV業界史上最悪の“バッキー事件”を犯した男性が明かした、周囲に対する“本音”

『同人AV女優 貧困女子とアダルト格差』より #2

2023/06/20

genre : ライフ, 社会

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「まさか、妻に拒絶されるとは思わなかった。甘かった。『あんたが来たからには、私は明日引っ越しの準備をはじめなきゃならなくなった』って。この大変なときにって、俺の顔を見た瞬間に鬼のような表情になって、沸騰するようにキレた。引っ越す必要までないだろって言っても、そんな感じ。『次にあんたが来たら、私はその場で首をくくる』って言われました。追い返された」

 妻と子どもは生活保護で暮らしていた。化粧をしていない妻の服装はジャージで髪の毛には白髪が交じっていた。

アダルトビデオに関わってすべてを失った

「俺が悪いけど、簡単に言うと、妻はネット上のバッキー事件の情報を信じちゃった。そういうことだと思う。完全な拒絶だったから。本当にどうしようもなかった。会話もできない。だから経済的なことでさえ、俺は求められなかった。そうなると、どうしようもない。いい男がいて、いい生活をしていたら、まだ納得できた。逆に嬉しかった。でも、生活保護でひどい生活をしていた。ショックを超えて、絶望した。あのときは、ひたすら打ちひしがれた」

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©AFLO

 すべてを失ったことに気づいた。仲間と思っていた友達からは敬遠され、頑張って支えようと思っていた家族から拒絶され、揚げ句に絶縁状を突きつけられた。絶望した。服役中にずっとイメージしていた20代の頃のようにいくつもの事業をまわして、家族に贅沢をさせるというイメージは完全に崩れ落ちた。

「事件を起こしたのは俺の甘さ、それと無知が原因。だけど、アダルトビデオに関わったことで、本当にすべてを失った。時間も、人生も、家族も、仲間も。ツラくないっていえば、噓になるよね」

 出所から1年半。いま三谷紳助は細々と仕事をしながら、ひっそりと最低限度の暮らしを送っていた。

「自分は“悲劇のヒロイン”だと思っていましたよ」撮影中に女性の肛門を破壊…AV業界史上最悪の“バッキー事件”を犯した男性が明かした、周囲に対する“本音”

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