中高年の7割が知らない性交痛
現在の日本では、中高年の性に関する意識は保守的で、ともすれば「はしたない」「恥ずべきもの」と考えている方も多いのが現状です。また、加齢に伴うペニスや腟などの変化についての正しい知識も、あまり広まっていないと思われます。
あなたは、久しぶりにセックスをする「セカンドバージン」が痛いと知っていましたか?
女性の腟は何もしないと萎縮して濡れにくくなり、セックスでペニスを挿入しづらくなることを知っていましたか?
この調査結果では、男女ともに7割以上の人が性交痛や腟萎縮を「知らなかった」と回答しています。
これほどまで健康寿命が延びているのに、セックスに関する知識がアップデートされていないのは、なんともおかしなことだと思いませんか?
富永ペインクリニックの性交痛外来では、これまでに5000人以上もの性交痛診断を行ってきました。そこにはパートナーとのセックスを充実させたい方はもちろんのこと、再婚や婚外恋愛、シニアの交際などさまざまな人生の局面を迎えた方が大勢、来院しています。まさに「性の多様化」です。
しかしそんななか、若い頃のようにセックスができず、自分の体になにが起こっているのか、原因も対処法もわからずに戸惑っている人も少なくありません。
私自身もこのアンケートの結果を受けて、中高年以降の体の変化についての正しい情報をよりいっそう発信しなければならないと、医療従事者として改めて感じたものでした。(#2に続く)