人口が減少する日本では、今後何が起こるのか。各業種や公共サービスにおけるこれからについて具体的に示した「未来の年表」シリーズ第5弾が話題。
「2017年に刊行した1冊目はマクロな視点での変化を時系列で解説しました。本書では、ジャーナリストである著者が調査・分析したデータに基づき、金融や鉄道、生活インフラなど多くの人に関係する産業の2030年~50年くらいに起こる変化について取り上げています」(担当編集者の佐藤慶一さん)
人口減少社会では実人数が減るだけでなく、若い頃のようには消費しなくなる高齢者の割合が増え、消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われる。新築住宅が売れず、IT人材不足で銀行トラブルが続出し、60代の自衛官が高齢者の命を守る事態にも。
一方で、事業の多角化をやめる、東京への一極集中でも地方への多極分散でもなく、ある程度の人口がいる都市への多極集中で商圏を維持するといった、“戦略的に縮む”ための成長モデルも10のステップで紹介。
読者は60~70代の男性が中心だが、ウェブで関連記事を掲載し、若い世代にも注目されている。
「未来を可視化することで、取れる対策もあります。危機的な状況に意識を向けてもらい、社会がよくなるように取り組んでいけたらと思っています」(佐藤さん)