『付加価値のつくりかた』(田尻望 著)かんき出版

 著者はかつて、営業利益率50%超、社員の平均年収2000万円以上という超高収益企業として知られるキーエンスに在籍。その後の事業立ち上げ、異業界での勤務経験を通じて、付加価値の重要性を体感してきた。たとえば、キーエンスは「世界初・業界初」の新商品を生み、それが持つ付加価値をベースにした価格決定を基本としている、と見る。ゆえにコストベースの価格設定より、遥かに高い利益率を実現できるのだ。また顧客の潜在ニーズこそが、新しく、かつ最大の付加価値となり、その裏には「感動」があると気づく。これらをもとに、付加価値のつくり方をわかりやすくまとめたのが本書。キーエンスの構造も見えてくる一冊だ。

「著者から頂いた企画のメールに、『キーエンス』『付加価値』の言葉がありました。当時はどちらのテーマの本も出ておらず、そこだけ光り輝いて見えた(笑)。それが出版のきっかけです」(担当編集者の金山哲也さん)

 商品企画・開発、営業、マーケター、バックオフィス人員など、組織で働くすべての人向けになるように編集を心掛けたという。

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「本書は20~30代の電子書籍ユーザーの読者が多いのが特徴です。また、10代アルバイトの女性から『自分の力を発揮した働き方をしたいと思った』といった感想を頂くなど、意外な読者にも広がっていて驚いています」(金山さん)

2022年11月発売。初版5000部。現在10刷10万部(電子含む)