著者はテレビ東京の社員として『ゴッドタン』など数々の人気番組のプロデューサーを務め、在籍中から深夜ラジオのパーソナリティとしても活躍。独立した現在も古巣の仕事を継続しつつ、YouTubeの配信などさらに活躍の場を広げている。本書は2022年、「仕事術」のジャンルで最も売れた本だという。
「テレビ局のプロデューサーというとクリエイティブな面ばかりが注目されがちですが、会社員であることに変わりはありません。著者も社内調整や人間関係など多くの人が直面する問題に対処しながらも、その姿は常に楽しそうでした。それがなぜなのか、それに必要な技術は何かが伝わる本にしたいと思いました」(担当編集者の石塚理恵子さん)
たとえば「ミスをしたらどうカバーするか?」「嫌いな人と一緒に仕事する際の心構えは?」といった身近な悩みの解決法は、メディアでの華やかな姿や「ずるい」という書名からはやや意外な繊細な配慮に満ちている。
読者の年齢は10~60代と幅広く、共感や感謝のレビュー件数が圧倒的に多いのも特徴。著者の愛され方がうかがえる。ちなみにこんな需要もあるそうだ。
「上司の方が部下にこの本を渡すそうなんです。『俺がいつも言ってることと同じなのに、俺の話は聞かなくても、この本の言うことなら素直に聞く』と(笑)」(石塚さん)