人が自ら動く強い組織を作るために何をするべきか? 経営コンサルタントとして数々の企業での実績を誇り、1級キャリアコンサルティング技能士の資格も持つ本書の著者は、まずは「モチベーションを上げようとする」前に、「モチベーションを下げる要因を取り除く」ことが大切だと考える。本書にはそのために個人や組織が実行すべき具体的な処方箋が提示されている。
「企画の大きなきっかけは、以前はやる気に満ち溢れていた知人が、時とともに覇気がなくなってしまったことでした。背景に『上司にことごとく否定される』などの“あるある”の理由がいくつも潜んでいて、私自身も共感するポイントが多く、それが本の内容の骨格になりました」(担当編集者の川上聡さん)
〈目を見て話さない〉〈理由や背景を説明しない〉〈コントロールできる部分を与えない〉〈個人が仕事を抱えすぎている〉〈前例と成功体験から抜けられない〉など、著者の豊富な経験から導き出された、上司や組織の問題点が列挙される。
「本書では、ケースごとに心理学の理論に基づいた改善策を提示しています。そこにリアリティのある会話を盛り込み、具体性を感じられるように工夫しました。改善策をただ提示するだけでなく、読者に寄り添う表現方法を追求したことも、支持されている理由かもしれません」(川上さん)