知らないねこのニオイがついていたりしていると…
知らないニオイがあると、これはもしかしたら自分の縄張りを脅かそうとする敵のニオイかもしれない、と警戒もするし、そもそも自分のいるべき場所に自分のニオイがついていないと、ほかのねこに取られてしまうかもしれない!と気が気でなくなってしまうのです。
よく馴れてなついている飼い主に、知らないねこのニオイがついていたりしていると、もう大変です。いつもと違う香水をつけていたり、サウナに出かけてシャワーを浴びた後だったりしても、ニオイが違ってしまいますから、ねこはとても不安になってしまいます。それで、その心配や不安を打ち消すために、自分のニオイをつけようと、必死になってスリスリしてくるのです。
3つ挙げたうちの理由(2)では、知らないニオイがついているわけではなくても、スリスリをしたことによって誰かにやさしくしてもらえたり、餌を与えてもらったりしたという成功体験がある場合、よりスリスリをしたくなるようです。
ねこは、生き延びる確率を上げるために、人間にかわいがってもらうということを選択して進化してきた動物です。人間にスリスリすると、褒めてもらったりかわいがってもらえたりする。その結果、危険を回避することにもつながり、より安全な環境で長く生きられた、というのがねこの進化史であると考えられています。
ねこは、なついている相手が他の事で頭がいっぱいの様子のときに、わざわざそれを邪魔しにやってきますよね。仕事中のPCの前にきたと思ったら、キーボードの上にねそべってしまったり……。これは、自分に対して注意を向けておいてほしいからなのです。ねこは、自分のことを見ていてくれるほうが安全で安心だと思っていて、そうするのです。
ここで、ご相談の中に出てくる先輩のことを思い出してみましょう。先輩がご自身のアウトプットをオフィスの部屋に飾るのは、やはり「私をもっと見て!!」というアピールだとは考えられないでしょうか。