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オフィスが“色褪せた和紙人形”だらけに… “自分の作品”を飾る先輩との「付き合い方」

中野信子の人生相談#1

2023/09/27
note

 私にはどうしても、ねこのスリスリのように思えてならないのです。

 先輩もきっと不安なのです。ここまで、みんなにかわいがられて、やさしくしてもらうことで、生きてくることができた。この先、もし見捨てられたら、どうしたらいいの。もっともっとアピールして、かわいがってもらわなくては。私は価値がある存在なんだと、認めてもらわなくては。そうしないと、生きていくことができなくなってしまうかもしれない、といった具合に。

「マーキングがちょっと困ったな」と思ったら

 あまりにも不安なご様子だったら、先輩にはもっと突っ込んだ語り掛けをしてみてもいいのかもしれません。わざわざスリスリなんかしなくても、みんな先輩のことが好きですよ、と。

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 ちなみに理由(3)ですが、これはねこが親しい仲間だと思っている相手に対して、ご挨拶としてスリスリするというものです。このときのねこは、相手のことも知りたいなと思っています。ですので、先輩のスリスリへの何かあなたらしいお返しを考えておくのもいいのかもしれません。大阪式に、差しさわりないプレゼントとして、いつでも渡せるように飴を用意しておくとか。

 もっとも、ねこにはスリスリしたい相手とそうでない相手がいるようです。ねこが恐怖心を抱いていたり、思いもよらない動きや大きな音を出してねこをびっくりさせたりする人にはスリスリしたくなくなるようです。

 ねこのスリスリはかわいいのですが、「マーキングがちょっと困ったな」と思ったら、ねこが怖がっている相手を守護神として当該部署に定期的に召喚なさるのもいいかもしれません。

 でも、ねこが怖がってしまうのは、ちょっとかわいそうですかね。

text:Atsuko Komine

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