中野がテレビに出るようになったころ…
何かをやり続けていればいつしかそれはスタンダードになり、25年経てばその人はその道の権威になる、と聞いたことがあります。最初に買ったBMWを長く大切に乗っていらした小杉さんならご存じと思いますが、製造から25年が経過すれば、車はクラシックカーとして認められ、輸入販売できるようになるというアメリカの「25年ルール」がありますよね。
小杉さんも今やプレミアム価格で取引されるクラシックカーになられたのだと思います。クラシックの名車においては、「新人のような失敗」や「調子にノリっぷり」はむしろ、年月を経ても味わうことのできる新車のような初々しさとカウントされ、大きな魅力の一部なのではないでしょうか。
じつは、中野がテレビ番組からお呼びがかかるようになり始めた頃、なかなかうまく喋ることができなかったんですが、そんなときはいつも小杉さんがうまく拾ってくれました。どんな失敗もおいしく魅せてしまう小杉さんの超絶技巧の数々を、これからも楽しみにしています。
text: Atsuko Komine illustrations: Ayumi Itakura
なかののぶこ/1975年東京都生まれ。脳科学者。東日本国際大学特任教授。京都芸術大学客員教授。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。医学博士。2008年から10年まで、フランス国立研究所ニューロスピン(高磁場MRI研究センター)に勤務。著書に『ペルソナ』『脳から見るミュージアム』(ともに講談社現代新書)、内田也哉子との共著『なんで家族を続けるの?』(文春新書)、『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』(宝島社)、『脳の闇』(新潮新書)など。
中野さんにあなたのお悩みを相談しませんか?
読者の皆様のお悩みを、woman@bunshun.co.jpか(件名を「中野信子人生相談」にしてください)、〒102-8008 千代田区紀尾井町3-23「週刊文春WOMAN」編集部「中野信子の人生相談」係までお寄せください。匿名でもかまいませんが、「年齢・性別・職業・配偶者の有無」をお書き添えください。
【週刊文春WOMAN 目次】特集いつまで働き続けますか?/ピケティ格差論/ジェーン・スー×斎藤幸平/岡村靖幸×吉川晃司 31年ぶりの共演/小山田圭吾/香取慎吾 中居正広との再会秘話
2023夏号
2023年6月20日 発売
定価660円(税込)