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 有名大学から有名企業を目指したいなら進学してもいいが、「みんなが行くから」という理由だけで高校に行くなんて、もったいない。時間の無駄である。

 俺は我が道を行く。……いや、実は何も考えていなかっただけかもしれない(笑)。

 だが、小さい頃から俺は「自分で会社を作って何かをしたい」と漠然と考えていた。父親のことを軽蔑していたわけじゃないが、勤め人になったら誰かの下で働かなくてはならないことも何となく分かっていたから、それはイヤだと思ったのだ。それにそもそも、毎日、決まった時間に出勤しなきゃいけない、なんてのは勘弁だと思った。

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誰かに雇われたくない

「将来は億万長者になる」

 俺は小学校の、「将来の夢」と題した寄せ書きにこう書いた。

 なぜそう思ったのかは思い出せないが、なんとなく大きなことをしたいといつも考えていた。

 だが中学校を出てからは、しばらくぶらぶらしていた。

 レストランでウェイターのアルバイトをしたこともあった。

 ガラの悪い客が来て、無茶なことを言ったり、俺のことをからかったりしたときにはすぐに言い返していたが、当時はお客さんも大らかだったからか、それともまともにガキを相手にしてもしょうがないと思ったのか、問題にはならなかった。

 そういう意味ではこのアルバイトは楽でよかったし、居心地もよかったが、やっぱりウェイターで一生を終わりたくないと中学を出たばかりの俺は考えた。アルバイトならば店長の言うことは聞くのは聞くが、やっぱり他人に使われていることには変わりがない。

 俺の好きな永ちゃん(矢沢永吉さん)じゃないが、「頼れるのは自分しかない」という気持ちはガキの頃から強かった。

 だからウェイターのバイトも「こんなもん、いつまでもやるもんやない」とあっさり辞めてしまった。さて、これからどうするか――それは走りながら考えればいい。(続きを読む)

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