『SPY×FAMILY』の遠藤達哉氏は「なんもしてない」と投稿
もともと青い認証バッジは、なりすまし対策やツイートの質を維持するため、著名人やジャーナリストなどに「Twitterが無償で与えていた」ものだった。そして、このバッジユーザーの投稿は「おすすめ」タイムラインへの出現頻度が高くなっていた。
ところがイーロン・マスクは「バッジの基準が不明瞭なこの仕組みは腐敗している」と撤廃を決め、月々980円を払えば獲得できるサブスクリプションに変更した。つまりバッジは基本的に「私は課金ユーザーです」ということを示すものになったわけだ。
しかしイーロン・マスクは、すぐに「不明瞭な基準」を発揮することになる。ニューヨーク・タイムズや自身に批判的な記者・メディアの認証バッジを剥奪する一方で、トランプ前大統領やスティーブンキングなど著名人には「自らが料金を負担する」として、無償で認証バッジを与えた。
日本でも『SPY×FAMILY』作者の遠藤達哉氏のアカウントに突然金バッジが付与されたことが話題になった。金バッジは企業や行政機関などの組織が申請可能なもので、月額は13万5000円だ。遠藤氏自身は「なんもしてない」と困惑した様子を見せている。
ともあれ筆者も4月に青バッジを剥奪され、無印アカウントに戻ったことでツイートのインプレッションが激減して途方にくれていた。また以前は無印アカウントでも使用できていたツイート分析画面もメニューから消え、発信が誰に届いているか、上手くいっているかをチェックすることも難しくなってしまった。
そこで、やむなく筆者も6月頭にバッジの申込を行った。しかしカード決済後、レシートだけは届いたものの数日経っても何の反応もない。AmazonやNetflixなどと異なり申し込み後の審査があるのだが、どのような審査があるのか、何日程度かかるのか、など説明はないままひたすら待つしかなかった。
Twitter投稿のまとめサービス「Togetter」を運営する吉田俊明氏が「使えなくなったPremiumAPIの請求がいまだにくるんだけど、解除するページがNotFoundになってて、解約できないぞ!」とTweetしていたことも相まって、不安は増していった。
結局、バッジがつくまでに1週間ほどかかった。その後は徐々にインプレッションも改善したのだが、分析画面を見て再び驚くことになる。2022年の5月より前のデータがすっかり無くなっているのだ。