2023年4月に、Twitterは青バッジと呼ばれる公式バッジをユーザーから剥奪することを発表した。筆者もジャーナリストとして付与されていたバッジを失った1人である。

 4月以降も青バッジを維持するためには月額980円を払う必要があり、しばらくはバッジ無しで運用していたのだが、ツイートの表示回数=インプレッションの顕著な低下を感じて現在はやむなく課金をしている状態だ。

 ただ課金で青バッジ自体は復活したのだが、以前は無料で使えたサービスすら満足に使えない状況で、Twitterがますますヤバいことになっているのを実感した。筆者の身に起きた、バッジの喪失から再取得までの顛末を紹介する。

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筆者のTwitterアカウント。青バッジは復活している

 まずは4月のバッジ剥奪の影響を紹介しよう。

 クリエイターやジャーナリストなどの情報発信で飯を食っている人間にとってSNSでのインプレッションは死活問題だが、筆者の場合は4月のバッジ喪失でツイートの平均インプレッションが半分以下になった。周囲でも「約3分の1になった」などの反応をしている人が複数いた。

バッジのないアカウントは表字数が激減

 バッジが消えただけでインプレッションが激減するメカニズムはこうだ。

 現在のTwitterのタイムライン(TL)は「おすすめ」と「フォロー中」の2つに分かれている。PCでもスマホアプリでもデフォルトは「おすすめ」のTLで、Twitter社のアルゴリズムでユーザー毎に表示内容が調整されている。

「いいね!」やリツイートなどの反応(エンゲージメント)が優先され、フォローしている人のツイートが表示されなかったり、フォローしていない人のツイートが表示されたりしているのだ。

 そして、ほとんどのユーザーは意識することなく「おすすめ」モードを使用している。大学の授業で学生に聞いてもほぼ全員が「おすすめ」モードを使用していて、「フォロー中」の存在に気づいていない人も多い。

Twitter社を買収したイーロン・マスク ©時事通信社

 フォローした人たちのタイムラインの合間に「広告」や「あなたにおすすめ」などのツイートが入り込むこと自体は以前からあった。しかし2022年10月にイーロン・マスクに買収されると1月にはタイムラインが「おすすめ」と「フォロー中」に分かれ、Twitter社が選んだツイートが多く表示される流れが一層強化された。

 筆者のタイムラインにもフォローしていないネコ動画やアニメと広告ばかりになり、逆にフォローしている人の投稿の出現頻度はめっきり低くなった。