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“ダブスタクソ親父”イーロン・マスクが日本人5900万の「魂の依代」を破壊する? Twitterが背負ってきた意外な効果と“SNS移住”の現実性

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 2022年も多くの著名人がこの世を去った。彼らがSNS、特にTwitterで発信してきた言葉から勇気や気づきをもらった人も多いだろう。彼らはいなくなってもTwitterに投稿された言葉は残り、あたかも墓標のように故人を悼む声が寄せられている。

10月1日に他界したアントニオ猪木氏の公式ツイッターより

 もし、アントニオ猪木さんや仲本工事さん、渡辺徹さんの投稿がある日消えてしまうとしたら――動画はYouTubeに残っても、今もTwitterに寄せられ続けているファンの感謝の言葉は失われることになる。そんな懸念が現実のものになろうとしている。

 10月に買収を完了したイーロン・マスク氏の矢継ぎ早の変革が、日本人の精神的な“依代(よりしろ=魂や神霊が宿るもの)”になっているTwitterを壊してしまうかも知れないのだ。特に「長期間利用のない15億にも上る休眠アカウントを削除し、そのユーザー名を解放する」と発表したことは、故人の記録がTwitter上から消し去られるのではないのかと懸念が拡がっている。

「今度こそ亡くなった人の記録が失われるのではないか?」

 日本においてTwitterは、猪木さんや渡辺さんのような著名人を含めた多くの人々の日々の営み、思いが綴られる場所だった。1億2500万人の人口で月間アクティブユーザー約5900万人を抱える日本は世界的にみても利用率が高く、魂の依代として機能しているといっても過言ではないだろう。

 10月19日に亡くなった仲本工事さんの最後の投稿にも多くの反応が残されている

 Twitterは以前から「運営の痕跡がないアカウントに関するポリシー」として、「少なくとも6ヶ月ごとにログインするよう」アナウンスを行っていた。

 2019年にもTwitterは休眠アカウントの削除を予告したが、その際はユーザーからの強い反発を受けてこれを取り消し、新たに「追悼アカウント」を機能として実装する予定を明らかにしている。

 しかし追悼アカウント機能は実現しておらず、イーロン・マスク氏が改めて休眠アカウントの削除を宣言したため、多くのユーザーが「今度こそ強引に実行され、亡くなった人の記録が失われるのではないか?」と疑心暗鬼に陥っている。