1ページ目から読む
3/4ページ目

 ところが現役から退き、働いていない年金生活者は、いわゆる消費者の対象から除外されています。たとえ現役を続けて労働していても、高齢であるということだけで、消費者から外されてしまっている現実もあります。

 老後2000万円問題や将来の介護問題などで、不安になっているから高齢者の財布のひもが固く締まっているという点はあるでしょうし、実際に、年金まで貯金するので、老後貯金が増える人も少なくありません。確かに高齢者向けの魅力的な商品がないのも事実ですが、貯蓄したり、買いたいものを買わずに我慢したりして、お金を使うことに頭を使わないと脳の老化につながるので、ここはお金を有意義に使うことを考えてみたいと思います。

©AFLO

お金を使って世の中を変える

 身近なところで考えても、NHKや民放のテレビ番組がつまらないなと思えば、AmazonプライムやNetflixなどの有料動画配信サービスに加入して、自分が本当に好きな映画やドラマを鑑賞するなど、そういう有意義なことにお金を使えばいいのです。これまで民放の無料放送ばかり見てきた人にはテレビを見ることにお金を払うのは抵抗があるかもしれませんが、月額500~2000円ほどの会費を払うだけで、いつでもどこでも会員対象の映画やテレビ番組が追加料金なしで好きなだけ見ることができるのです。

ADVERTISEMENT

 子育てが終わって夫婦ふたりっきりの生活なら、週に一度は1人1万円ぐらいの食事をしようなど、ちょっとした贅沢をしてもいいと思います。そういった身近なところであっても、幸せを感じることがメンタルヘルスにも免疫力を養うのにもいいですし、それが長生きや若返りなど、すべてがいい方向へとつながっていくわけです。

 現実的には難しいと思うこともあるでしょうが、どんな小さいことでもまずは始めてみることが大切です。やはり、高齢者がお金を使ってくれるところを見せないかぎりは、高齢者を消費者として見ることはなく、世の中は変わっていかない気がします。少なくともわたしは大いに実践していますし、今後も好きなこと、好きなものにお金を使い続けていきます。

失敗しても、前頭葉は活性化する

 自分にとって有意義にお金を使うことで幸せを感じられ、免疫力アップや若返りに効果があるとお伝えしましたが、実はお金を使うことは前頭葉を活性化することもできるので、いいことずくめです。