一方、逮捕された長女の沙喜容疑者、次男の大地容疑者、そして2人の間にいる長男も幼少期に鉄パイプで殴られたり、たばこを押し付けられたりといった壮絶な虐待を受けていたことが分かっている。容疑者らが幼少期を過ごした市営住宅に住む高齢男性が語る。
「狂暴で有名」「関わりたくない一家」
「長男、次男の素行の悪さは特に近所で有名でした。毎日ひどい罵声を浴びせられていたら、普通の倫理観や道徳が見に付かないというのは頷けるもので、他人が何をされたら嫌がったり、喜んだりするのかが分からないようでした。同じ学校に通っていた子供からも、次男の容疑者が度々学校で問題を起こしていたと聞いています」
一体、大地容疑者はどんな問題行動を起こしていたのだろうか。この男性は詳しく語ろうとしなかったが、娘が大地容疑者と同級生だったという女性は、容疑者が小学校で起こした“事件”を振り返る。
「うちは女の子なので、あまり大地容疑者と接点がなかったようなのですが、彼が凶暴だというのはよく聞きました。小学校の頃、階段で女の子の足を引っかけて大けがをさせたという事件があったのを覚えています。女の子が流した血で踊り場が真っ赤になったと聞いています。そういう子だし、罵声が四六時中聞こえてくる家庭環境のこともあるしで、『あの家には近づくな』と子供に言い聞かせる保護者もいるぐらい、当時から関わりたくない一家でした」
幼少期から狂気の一端を見せていた大地容疑者だが、修くんの母親である長女の沙喜容疑者は周囲に正反対の印象を与えていたようだ。前出の高齢男性が続ける。
「団地でも長女はおとなしい子だと思われていたと思いますよ。学校では影が薄すぎて、隣にいてもほとんど気づかれないような子だったそうです。やっぱり家の中であれだけひどい目に遭ってると、情緒も育たないんですかね。家のことは子供たちだけでやってたようだけど、罵倒されながら働かされてる姿は、なんだか奴隷のように見えてました」
前述の防犯カメラの映像では、うちわで互いを扇ぎ合い、談笑すらしているかのような4人の姿が確認できる。まさか引いているスーツケースの中に、我が子の遺体を忍ばせているとは、誰も夢にも思わなかったろう。
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