既に、厚生労働省の麻薬取締官や都道府県職員である麻薬取締員は、麻薬及び向精神薬取締法により、麻薬犯罪捜査にあたり、厚生労働大臣の許可を受けて、何人からも麻薬を譲り受けることが認められている。令和3年3月には東海北陸厚生局麻薬取締部が、ツイッターを使い大麻を密売していたグループの男女5人を逮捕している。是非この手法をどんどん活用していただきたい。そうすれば、密売人らもSNS等の利用に慎重になることだろう。
平成15年版警察白書の『海外における組織犯罪の現状と対策』は、主要国の組織犯罪対策を解説している。これを見ると、アメリカ、フランス、ドイツなどで、潜入捜査が認められている。具体的には、麻薬犯罪や武器取引等の重大な犯罪について、警察官が架空の身分を与えられ、架空身分のために必要な文書を作成、使用等できる。例えば偽の運転免許証などが該当するだろう。その活動は厳格に定められている。
SNSを利用した犯罪を抑止するためには
ルフィらの手口では、SNSで募集に応じた者に対し、運転免許証の画像を事前に送らせたり、家族関係を報告させ、裏切らないよう脅しをかけている。
免許証の住所地をどうするかという問題はあるが、最新技術を使えば、架空の人物写真や更には動画すら容易に作成できるだろう。NHKは美空ひばりさんや荒井由実(当時の松任谷由実)さんの姿をAIで製作、歌まで歌わせていた。
特殊詐欺や強盗の指示者、違法薬物密売者などは、既に犯罪を決意している。
SNSを利用した違法薬物の買手が警察官や麻薬取締官だったり、闇バイトの応募者が警察官かもしれないとなれば、SNS等を利用した犯罪の抑止にも繋がるのではないだろうか。そのためには新たな法的根拠が必要だ。
イタリアのマフィア対策
工藤會は全国唯一の特定危険指定暴力団であり、これまでも元警部事件や警察宿舎へのダイナマイト設置など、警察に対しても牙をむいてきた。
これを上回る凶悪、凶暴な暴力的犯罪集団だったのが、イタリア南部シチリア島のシチリア・マフィアだ。現在も壊滅には至っていない。
マフィアは市民だけではなく、警察官、検察官、政治家まで次々と暗殺してきた。
イタリア政府もマフィア対策に力を入れてきたが、ここでもマフィアメンバーの協力が大きな成果を上げた。
マフィア対策で効果をあげ、暴力団等組織犯罪対策に是非取り入れていただきたい制度が次の3つだ。