藤田 アルバローザを買うためにずっとバイトしていましたね。運送会社で事務作業を週5日でやっていたんですけど、「あいつはどうせ仕事なんかできないだろ」みたいなギャルに対する偏見があったみたいで、最初は仕事もくれなくてポツンとしました。
――ギャルに対する偏見・差別があったんですね。
藤田 面接に行くと「すぐサボりそう」「ちゃらんぽらんでしょ」みたいな感じで見た目で判断されて落とされるので、ギャルがバイト探すのって大変なんです。カラコン・茶髪・派手な服装とかがNGで働き口がなかったんですけど、その運送会社は唯一受かってバイトできたところでした。
ギャルのメイクやファッションをすることで自分に自信が持てて毎日が楽しくなったのに、周りからは心無い言葉をかけられるようになって、それが本当に納得できなかったですね。
おじさんに「3万でどう?」と声をかけられたことも…
――周囲からの心無い言動について具体的にお聞きしてもいいですか。
藤田 店に入ると店員さんがずっとついてくるんです。たぶん、ギャルは万引きすると思ってるんですね。おじさんに「3万でどう?」と声をかけられたかと思えば、若い男の子から「あいつら全員病気持ち。マジキモい」と罵声を浴びせられる。満員の電車で私の隣だけ空席ってこともよくありました。
――ひどいですね……。
藤田 先生や警官からもあからさまに“ギャル差別”されました。自転車に乗っていたら警官から「それ、盗んだ自転車か?」と呼び止められて。自転車で2人乗りした女子高生たちが思いっきりその横を通っていったのに、その子たちの見た目がギャルじゃなかったからか、まったく呼び止めもしない。
学校でも同じようなことが日々起きていて、ギャル以外の子が授業中におしゃべりしても注意で済むのに、私たちは「お前ら外に出ろ!」と怒鳴られる。
さっき赤文字系の話がでましたけど、彼女たちだって私たちと同じように好きなファッションをしてるだけなのに、ギャルだとイメージが悪く、赤文字系だとかわいがられる。根本は皆「好きな格好をしている」だけのはずなのに、何でこうも差があるのか不思議で仕方なかったんです。
――ギャル仲間もみんな同じような目に遭っていたんですね。