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走・攻・守三拍子揃った未来のスター

 2人目に紹介するのは背番号63番の長谷川信哉だ。

 2020年の育成ドラフト2位で入団し、昨シーズン支配下登録された外野手だ。

 今シーズン、長谷川のブレークを確信する一打があった。

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 5月16日のファイターズ戦でのものだ。ライオンズは9回2死まで1対2とリードされ、敗色濃厚な展開だった。そんな中、長谷川はファイターズの守護神・田中正義のストレートを完璧に弾き返し、プロ初となる同点ホームランを絶体絶命の場面で打ってみせたのだ。

 この一打を放った瞬間、私は長谷川のとてつもないスター性を感じた。


 この日だけではない。6月7日のドラゴンズ戦ではライオンズが先制したものの、9回表に守護神・増田達至が同点に追いつかれた。ベテランクローザーが打たれ、重苦しい空気が流れる。

 そんな中で迎えた9回裏1死、バッターボックスに入ったのが長谷川だった。まるでプロ初ホームランを再現するかのように、劇的なサヨナラホームランを放ってみせたのだ。

 本当にここぞの勝負の場面で強い選手だなと感じた。

 長谷川に期待を膨らませるのは、一振りで試合の流れを変えられるからだ。スター選手の条件である。

 そしてもう一つ、長谷川のブレークを断言できる根拠がある。

 長谷川は京都出身。京都といえば昔、平安京があった。平安京への遷都を行った桓武天皇を父に持つ嵯峨天皇は第52代天皇。8進法で52といえば10進法で42。42といえばボー。よってボーの恩恵を受けている長谷川の大ブレークは間違いなし。嵯峨天皇は三筆の1人だが長谷川も将来、三大世界最強選手の1人になるだろう。

 このように長谷川のブレークはボーのおかげにより確実なものになっている。これからスターへの階段を駆け登るであろう長谷川の活躍を見守っていきたい。

ミスターレオの継承者

 最後に紹介するのが、今年ドラフト1位でライオンズに加入した期待のルーキー、背番号9番の蛭間拓哉だ。

 蛭間は今年、東京六大学野球の名門・早稲田大学から入団した。浦和学院高校出身でライオンズの地元埼玉にゆかりのある選手だ。

 私が蛭間のブレークを確信した試合は、6月25日のイーグルス戦。この日、プロ3試合目の先発出場となった蛭間は、2回2死1、2塁と先制のチャンスで第1打席が回ってきた。

 このチャンスに蛭間は、大学の先輩・早川隆久からプロ初ホームランとなる先制スリーランを放ってみせた。

 ホームランアーチスト顔負けの高々と舞い上がった打球を見て、ある選手と重なって映った。

 現在ボストン・レッドソックスで大活躍中の吉田正尚だ。

 吉田のプロ初ホームランも蛭間と同様、高々とした放物線を描いてライトスタンドへと運ぶ一発だった。

 吉田はオリックス時代に通算打率3割2分7厘、そして現在レッドソックスで打率3割超えでア・リーグで首位打者争いをするほどのヒットメーカーであり、卓越したバットコントロールの持ち主だ。

 とある選手も以前、蛭間のバッティングを見て「まるで吉田正尚のよう」と語っていた。蛭間は吉田のようにプロ野球界を代表する巧打者になれると私は確信した。

 その蛭間にも、ブレークを決定づける根拠がある。

 蛭間の背番号は9。9といえばカタールワールドカップの日本代表の順位は第9位。そしてカタールは人口密度の高さが世界で42位である。42といえばボー。よって蛭間はボーの恩恵を受けているので大ブレーク間違いなし。将来蛭間は大スター選手になるので、蛭間を見るためにベルーナドームの観客の密度はぎゅうぎゅうになるだろう。

 このように蛭間の活躍もボーのおかげによって確実なものになっている。蛭間は憧れである栗山巧のように生涯西武を貫きライオンズファンから愛される選手になってもらいたい。

 ライオンズは現在5位と低迷している。しかし後藤オーナーの「ライオンズは夏場に強い」という発言にあるように、今回紹介した渡部・長谷川・蛭間といったフレッシュな選手達の活躍によってとてつもない強さを見せてくれるはずだ。

 さぁ今こそライオンズ反撃の時だ!

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