平瀬 最初の頃はとにかく変えたいっていうだけだったんですけど、最近になって自己肯定感が上がったり、自分を認められるのは、無加工の状態で撮られた写真や動画で「かわいい」といわれたときですね。
そういうのって、万人に認めてもらえてるかわいさってことなのかなって思うし、バズるわけでもあるんだろうなって。
ちょっと前に『BreakingDown / ブレイキングダウン』のニュース映像みたいなので、ラウンドガールをしている私が映っていて。それを見た人たちが「この子かわいいけど、何者?」って言ってくれたんですよ。こっちがカメラを意識していない状態で撮られたものに「かわいい」って言ってもらえると、自己肯定感が上がりますね。
他人の容姿については何も思わない
ーー整形をしたことで、今度は他人の容姿が気になったり、優劣をつけてしまいませんか。
平瀬 まったく思わないですね。ただ「どこを直したら整うかな」と聞かれたりしたら、パーツの黄金比とかあるので「ここを直せばいいんじゃないかな」とか話したりはすると思いますけど。歩いている人の顔がどうこうなんて、思いもしないですね。
他人の容姿のことを言ってる人を見ると、「なんなんだろう、この人」ってなります。「デブ」とか「痩せろよ」とか言ってくる人とかいますよね。
「健康的に大丈夫かな?」と思ってしまうぐらい体の大きい人っていますけど、それだって個人差があるので、実は健康なのかもしれないし。食べるのが好きなら食べればいいし、好きなようにすればいいんじゃないかって思います。
自分のなかにある良さを生かして、やりたいことをやるのが一番
ーー容姿で判断されるルッキズムの風潮が根強いですが、なにか思うところは。
平瀬 私は「かわいければかわいいほうがいい」なんて思わないタイプなので。自分は「かわいくなりたい」って願望がありますけど、人っていろんな良さがあるじゃないですか。たとえば、面白いとか。
だいたい、「かわいいの定義とは?」ってのもありますよね。日本じゃかわいいと思われない女性でも、海外だとかわいいって言われたり、男性だって日本じゃモテない人でも、海外ではモテたりとか。「かわいいの定義」って当てにならないし、キャバ嬢の「かわいい」、アイドルの「かわいい」とか、モデルの「かわいい」とか、いろんな「かわいい」があるじゃないですか。
そもそも「かわいいが正義」なわけないじゃないですか。自分のなかにある良さを生かして、やりたいことをやるのが一番ですからね。
写真=平松市聖/文藝春秋
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