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「奥さんの立てる音が気になるのなら、離婚しかないですよ」映画監督・押井守が語った「結婚にまるで向かない男性の特徴」

『押井守の人生のツボ 2.0』 #4

note

 妻の行動に悩む20代、30代男性の悩みに、映画監督・押井守さんが回答。そこで出た衝撃的なアドバイスとは……? 前代未聞の人生相談本『押井守の人生のツボ 2.0』(構成/インタビュアー:渡辺麻紀)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)

結婚生活に悩む男性2人に、押井守監督が送った衝撃のアドバイスとは? ©文藝春秋

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【Q1:家事は俺がやりたい(団体職員・20代・男性)】

 嫁の家事が甘いです。食器はいつも水につけ置いて朝まで放置しているし、洗っても洗い残しがあります。野菜を切った包丁なんてさっさと水で洗って、しまえばいいと思うんですが……。掃除機も適当にかけている感じで気に入りません。なので、嫁がいないときにこっそりやり直しています。「俺、こういうの得意だから任せてよ」と言っているのに、やる嫁。そして、俺がやり直しているのを見つけると怒る嫁。どう言って止めればいいでしょうか?

【Q2:妻の目覚まし音がうるさい(会社員・30代・男性)】

 僕はいつも仕事で忙しく、深夜に帰り、昼ごろまで寝る生活をしています。ですが、妻は朝7時に目覚ましをかけているので、毎朝起こされてイラっとしてしまいます。これがイヤで寝る部屋も別々にしたのに、まだうるさいんです。もう少し気を遣ってくれてもいいと思いませんか?

押井守「あなたたちは結婚に向かない性格です」

押井 このふたつの相談の本質は同じなのでひとつにまとめてしまいましょう。答えはズバリ、あなたたちは結婚に向きません、です。

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 彼らはたぶん、他人と一緒にいること自体が不愉快な人。家事ひとつをとっても、自分とやり方が違うだけで我慢できないわけでしょ? 根本的に他人と同居することに向いてない。

――どうして結婚したんでしょうね。

押井 上手くいくと錯覚しちゃったんですよ。若いとそういう錯覚に陥るものです。でも、夫婦にもいろんな夫婦がいて、家計は全部別、冷蔵庫に入れているものも、ちゃんと名前を入れて分けているとかね。そういうやり方もあるかもしれない。あとは一緒にいたいのなら努力しかない。

――まずは奥さんに相談するのがいいんじゃないですか。「家事は俺がやりたい」の人は、この文面だと、奥さんに苦情は言ってないようでしょ? 自分でやるのは厭わない人みたいだから、奥さんも任せてしまえばいいのに。

押井 おそらく、そうなるとそうなったで、また苦情が出てくると思う。だから、この手の人は他人と暮らすのに向いてない。離婚がイヤだったら、ひとりの時間を作る。相手のやることを見ちゃうから気になるんです。ご飯を一緒に食べたら、後片付けなんて気にせずに自分の部屋にこもって、好きなことをやる。家庭内別居すればいい。それでも、奥さんの立てる音が気になるのなら、離婚しかないですよ。

――「別の部屋で鳴る目覚ましも気になる人」という人もいますが……。

押井 そういう男をわたし、身近で知ってます。宮崎駿という人ですが。