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「奥さんの立てる音が気になるのなら、離婚しかないですよ」映画監督・押井守が語った「結婚にまるで向かない男性の特徴」

『押井守の人生のツボ 2.0』 #4

note

――でも押井さん、宮崎さんは結婚生活してますよね?

押井 でも、家には帰りたくないんだという人です。

――じゃあ、宮崎さんの対処方法は「家に帰らない」ですか?

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押井 宮さんも鈴木敏夫も同じ。家庭内下宿している。家庭内難民とも言いますけどね。奥さんは全然相手にしてくれないし、帰宅しても自室で本を読んだりして寝るだけ。ご飯も外ですませて家では食べない。それでも表面上は結婚生活を続けていることになっている。

――時間をかけて作った独自のライフスタイルなんですね!

巨匠を怒らせた豚肉事件

押井 それに宮さんはすごく細かい。一度、山賀(博之)と庵野(秀明)、前田(真宏)の4人で宮さんの別荘に行ったことがあるんだけど、宮さんはがみがみ怒ってばかり。この3人は本当に何もしないから、仕方なくわたしがご飯の支度をやっていた。

 彼らは本当によく食べて、梅干1個に至るまで食い尽くす感じ。食べたらマンガを読みふけって、読むマンガがなくなったら隣の町まで買いに行く。だから宮さんはずーっとがみがみ怒るばかり。そんなこと、呼ぶ前から判ってたはずなのに、何で呼んだんだということですよ。

 で、そのあと、宮さんはちょっと仕事ができて東京に2日くらい戻ることになったんだけど、その留守中、味噌漬けにした豚肉の塊を見つけて、みんなで完食した。まあ、庵野は偏食男なんで、食べなかったけどね。

――宮崎さん、ショックを受けてたんじゃないんですか?