「これもう100回ぐらい、そうじゃないって説明したんですけど、みんなもう面白おかしく言ってるだけです」
元パソナ会長の竹中平蔵氏が辟易する「ワイドショー的な議論」とはいったい? 100万人超え登録YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」(※2023年5月末で動画視聴終了)の人気トーク番組を書籍化した『なんで会社辞めたんですか?』(編著:高橋弘樹、日経テレ東大学/発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)より一部抜粋してお届けする。
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竹中平蔵はなぜパソナ会長を退いたのか
高橋弘樹(以下、高橋) 竹中さんはパソナグループの会長を2022年8月にお辞めになられたということで、ささやかですが、ご卒業おめでとうございますの花束をどうぞ!
竹中平蔵(以下、竹中) ありがとうございます。
高橋 何年間勤められたんですか?
竹中 13年間ですね。
高橋 会長職としては、結構長いですね。今回、「なんで会社辞めたんですか?」というテーマでいろいろお聞きしていきたいんですけど、その前にまずはパソナでどういうことをなさっていたのかを教えてください。
竹中 最初、南部靖之代表から「パソナで会長をやっていただけませんか」と言われた時、「私は公共事業を減らしたり、郵政を民営化したり、一部の既得権益者にすごく恨まれています。そんな私が会長をやると、謂れのない批判が会社にいって、パソナにご迷惑がかかりますよ」と申し上げたんです。
南部さんは非常に立派な経営者ですから、「そんなの構わないから、一緒に労働市場を良くしていきましょう」とおっしゃいました。その言葉に感銘を受けてお受けしました。私はこれまでに政府や大学関係の仕事も経験しましたから、取締役会に出席して、経済や社会の動向について提案を行いました。
高橋 会社の具体的な事業というよりは、もう少しマクロな政府の方向性とかについて議論していったという感じですか?
竹中 いえ、会社自体の方向性もそうですし、今、社会はこんな方向に動いてるから、その方向に合わせて事業もこうしていったらどうかとか、そういうことですね。
高橋 具体的にはどんなことされていらしたんですか?