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「殺害予定人数10人以上」京王線ジョーカーが何よりも力を入れた“仮装”の金額とは

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 映画「バットマン」の悪役ジョーカーに扮して京王線の電車内で乗客を刺すなどしたとして、殺人未遂等の罪に問われた服部恭太被告(26)の公判が東京地裁で6月26日から始まった。

「服部は黒髪の坊主頭に白いシャツ、黒いスーツ姿で法廷に現れた。緑のシャツに紫のチョッキ、黒いハーフコートを身に纏ったジョーカー姿とは打って変わって殊勝な様子で、とても大それた事件を起こせるような人間には見えませんでした」(司法担当記者)

京王線内でのジョーカー姿(目撃者のツイッターより)

 事件が起きたのは、2021年10月のハロウィーン当日。衆院選の投開票日でもあり、街はコスプレ姿の人々で賑わっていた。

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「服部はジョーカー姿で京王線の乗客をナイフで刺して重傷を負わせ、更にオイルを車内に撒いてライターで火をつけました。多数の映像もあり、犯行に疑いの余地はありません。ただ、弁護側は殺意の程度について争う構えです」(同前)

 弁護側が犯行の背景として強調したのは、服部の生い立ちだった。小学生の時に両親が離婚。小5の時に特に女子から避けられるようになり、中学に進学してもイジメが続き、自殺を図ったりもしたという。

「それでも、中3の時に陸上部の後輩の女子と付き合うようになって一旦は安定したようです。成人して同棲も始めた。ところが20年11月、彼女から服部自身の誕生日に別れを切り出され、次第に人生が暗転していきます。翌21年6月頃にはその元カノが別の男と結婚したことを知った上、仕事上のトラブルも重なった。『死ぬしかない』と思い詰めていったようです」(同前)