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堀井 2人目を生んだ後、社内に保育室のようなものを作るために動いてみてはどうかという話があって、社内外の女性たちにアンケートを取ったことがあったんです。そしたら意外なことに、当時は半分以上の女性が「作ってくれるな」という意見だったんですね。

 まず、子どもを電車に乗って赤坂まで連れてくるのが大変だし、「シッタールームがあることで逆に仕事を無理やり押し付けられそう」「子連れで職場に行くイメージが持てない」といった戸惑いの意見が出て、その案は立ち消えになりました。

 

子どもは私の“育てたい放題”でした

――そう考えるとこの20年でずいぶん社会の風潮が変わりましたね。

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堀井 今はTBSも保育園を作りましたしね。当時はママたちもそんなにフレキシブルに子育てするという感じでもなかったんでしょうね。「イクメン」という言葉もまだなかった時代です。

――パートナーの方は「イクメン」でしたか。

堀井 当時は忙しくて子育てにはほぼノータッチでした。というか、頼みたくても仕事が忙しすぎて無理なことはわかっていたので、もう割り切っていましたね。ドラマのセットを作っている人だったので、夜中の1時に帰ってきて3時にまた出ていく彼の生活を見ていたから、もうこれはしょうがないなって。

――恨み節ではないところがすごいです。

堀井 でも、逆に楽でしたよ。夫は手も出さないけど、一切口出しもしない。有り難かったです。だから、私の“育てたい放題”。たいそう、やりたい放題させていただきました(笑)。

 

――その後、堀井さんは22年3月にTBSを退社、独立します。その時のご家族の反応はいかがでしたか。

堀井 何の驚きもなかったですね。「へえー、いいじゃん」みたいな。ちょうど、「明日ショッピング行こうかな?」「いいんじゃない」と同じテンションの返事でした(笑)。夫も子どもたちも自分の道で自由に生きているので、母も自由であって当然、ということだったのだと思います。

――パートナーの方は堀井さんの著書『一旦、退社。』は読まれたのでしょうか。