昨年7月に行われた高校生RAP選手権に出場し、独自のラップスタイルで一気に注目を集めた#KTちゃん(18)。
バトルの入りには「ヤッホー渋谷KTでーす!」と元気よく挨拶し、相手を直接的にディスらない#KTちゃんは、これまでのラッパーのイメージを覆し、バトルに負けるたびにファンが付くという不思議な現象も起きている。
そんな#KTちゃんに、ラップを始めたきっかけや幼少期の意外なエピソード、レジェンドラッパーたちとの舞台裏などについて、話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)
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高校生RAP選手権にノリで出場
——まず、昨年、高校生RAP選手権に出場したきっかけはなんだったのでしょう。
#KTちゃん(以下、KT) 私の高校3年間ってちょうどコロナ禍真っただ中だったんですよ。入学式も教室でやって、お昼も1人で食べて。登校も出席番号の偶数、奇数で分けて、分散登校していたり。
ずっとそういう感じだったので、もちろん行事とかも全然なくて。3年生に上がって、高校生活を振り返った時に、イベントとか思い出みたいなものがあんまり浮かんでこなかったんです。
「私、このまま卒業したくない。あと1年の高校生活の中で何か思い出を作れたらな」って思っていた時に、たまたま高校生RAP選手権の予選大会があるっていうのを知って、すぐに応募しました。
——元々ラップバトルに興味があったんですか?
KT いや、全くなかったです(笑)。バトルについてはやったことも見たこともほとんどなくて。ノリで出場することを決めたんですけど、それが予選大会の2週間前で。2週間でイチからフリースタイルの練習をするっていう感じだったんです。
——高校生RAP選手権というと、ラップが好きで、バトルを経験している方が多いイメージですが、#KTちゃんは違ったんですね。
KT そうですね。ちゃんみなさんが出てたな、くらいで。
学生時代は学級委員長を務める真面目な子だった
——幼少期はどのような音楽を聞いていたのでしょうか。
KT 小学校低学年の頃は、ジブリのジャズメドレーとかを聞いていました。その頃の十八番は『翼をください』でしたね。お父さんやお母さん、友達とかを呼んでみんなの前で歌を発表するとか。そういうことばっかりやってました。
——その頃から人前で歌うことにあまり抵抗がなかったんですね。
KT そうですね。学生時代のクラスメイトに「学年の中で一番明るいのは誰?」って質問したら、私って答えるんじゃないかってくらい、めっちゃ明るくて天真爛漫な子どもでした。学生時代には学級委員長とかもやっていたので、人前に出るのが好きでしたね。
——勉強は好きでしたか?