——同じような高校生ラッパーが多かった中で、#KTちゃんを見た審査員は、なんだこの子は、と引き込まれていったと。
KT その日は女性ラッパーが私1人だったと思うんです。制服を着ている子も私しかいなくて。
予選大会出場を決めた時から、HIPHOPだからって変に悪ぶったりとか、ジャラジャラのネックレスを着けたりとかはやめようと思っていて。私は高校生で、制服を着て学校に通っているし、それが自分のリアルだったからいつもの自分で行きました。
ディスらないラップをしたかった
——オーディションまで2週間しかなかったということですが、具体的にどんな練習をしていたのでしょうか。
KT ディスったり、ディスられたりっていうのがシンプルに怖いなと思って。自分は相手をディスりたくないし、ディスられたくない。だったらディスらないラップをしたらいいんじゃないかと思って、周りにあるものを褒めるラップを練習していました。
あと、ディズニーとかファンタジーな世界観が好きだったからファンタジーなワードをたくさん使おうと意識していました。高校生RAP選手権の時もシンデレラに出てくる「ガラスの靴」を使っていたと思うんですけど、ラップとは相反するようなワードをあえて入れていましたね。
——自分の好きなものや自分らしさとラップをミックスさせて練習していたと。
KT そうです。ラップとはこうあるべきっていうのは1回捨てようと思っていて。
練習は事務所のレッスンで
——練習は1人でやっていたんですか。
KT 1人でやっていました。ラッパーって、駅の近くとかで丸くなってサイファーしているイメージがあるじゃないですか。私、それ1回もやったことなくて。1人で黙々と部屋で練習してました。あとは事務所でラップのレッスンをやってもらったり。
レッスン中に私が全然ディスらないから、先生が「ん? どうした?」みたいな感じで、めっちゃ動揺してました(笑)。
ラッパーがレッスンを受けていたらかっこ悪いとかもあるじゃないですか。そういうのも変えていきたいです。
——バトルは即興ではあるけど練習は積極的にしていこうと。
KT サッカーだって野球だって練習しますよね。「なんでラップはサイファーとかしかやっちゃいけないの?」みたいに思っていて。ラップのレッスンだって全然やっていいじゃんって。