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ミドル世代の未来はとても暗い
とりわけ30代後半から40代・50代・60代を取り巻く環境は生易しくありません。この世代は子どもの教育費支出、親の介護費支出、自身の住居費支払いを抱えるにもかかわらず、賃金は伸び悩んでいます。それなのに給与から天引きされている税と社会保険料は増額されています。
そして、組織では予定調和的には出世できません。デジタル化に起因するフラット化、スピード化の流れで取締役と管理職の椅子は減っています。減った椅子の一部には外部から招聘される人材が座ります。
出世できないのに、仕事の難易度は上がるばかりです。2021年に施行された改正高年齢者雇用安定法では事業主に70歳までの就業機会確保が求められていますが、産業界では中高年世代対象の早期退職募集の増加や、事業縮小・売却等に伴う待遇悪化が常に起きています。
60代以降の就業機会確保を見据えて、なるべく早く、自らキャリアの総仕上げと、新たなキャリアへの準備を進めなければいけません。さらに、老後に受け取ることのできる年金の水準は低下が不可避です。
コロナ前のような年率1%程度の成長ではなく、最低でも他の主要国並みの年率3%程度の成長を目指さなければ、日本の働き手の待遇が良くなることはありません。それだけ厳しい環境に、私たちは置かれています。