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「強盗犯に殴る蹴るで応戦して…」マサイ族の第2夫人となった女性(55)が語る、ケニアに魅せられた驚きの理由〈移住歴30年〉

「強盗犯に殴る蹴るで応戦して…」マサイ族の第2夫人となった女性(55)が語る、ケニアに魅せられた驚きの理由〈移住歴30年〉

マサイ族と結婚した日本人・永松真紀さんインタビュー#1

2023/07/29

永松 実はあまり知られていないんですけど、ケニアってすごく気持ちのいい気候なんですね。平均気温が20度前後で、暑くもなく寒くもない。爽やかな風がずっと吹いているような、まるで軽井沢のような気候に惹かれたところも大きいです。

 それこそ、移住した最初の頃はケニアの魅力を聞かれると、「アフリカの人って明るくて目がキラキラしてて」なんてのんきなこと言ってましたけど、今は口が裂けても言いたくないですね(笑)。

犯罪に巻き込まれやすい“マタトゥ”に惹かれ、経営することに

――ケニアの“リアル”をいろいろと目にされてきたわけですね。

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永松 危険に惹かれると話しましたけど、私がケニアですごく好きになったものが“マタトゥ”というケニア独自の乗り合いバスだったんです。

 一台一台個人経営で、車体をかっこよくペイントしたり好きな音楽をかけたりして、とにかく個性的で魅力的なんですが、例えば青年海外協力隊や駐在などでケニアに滞在している日本人には、「マタトゥという乗り物だけは絶対乗ってはいけない」と組織からお達しが出るほど危険な乗り物でもあったんです。

――どんな風に危険なんですか。

永松 私は、マタトゥはただの乗り物ではなく、都市カルチャーのひとつだと思っているんですけど、タクシーみたいにとりあえず早くつかまったものに乗るんじゃなくて、ケニアの人はわざわざ待ってまで、お目当てのカッコいいマタトゥに乗ろうとするんですね。

 ただ、乗ったら乗ったでケンカやナンパは日常茶飯事だし、回転をよくして利益を得ようとするものだから、めちゃくちゃなスピードで運転して事故もしょっちゅう起きる。それに、集金人やドライバーといったマタトゥで働いている人たちがスリと結託して運営していることもよくあるから、犯罪に巻き込まれやすいわけです。

ケニアの裏側を知り、だんだん嫌になっていく

――そんなマタトゥに日本人女性一人で乗車して、危険な目に遭わなかったですか。

永松 そう言われて初めて「ああ、そういうものか」と思いましたけど、私は全然危険な目には遭わなかったんです。皆すごくよくしてくれましたね。

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