ケニアとタンザニアに暮らす少数民族・マサイ族。そのマサイ戦士のリーダーと2005年に結婚し第2夫人となったのが、ツアーコーディネーターの永松真紀さん(55)だ。一度はケニアを「大嫌い」になったものの、マサイの魅力に開眼したことで同国の奥深さにハマり、移住歴は30年になろうとしている。
そんな永松さんに、アフリカの地に旅立ったきっかけから、マサイ戦士と交際0日で結婚するに至った経緯まで、さまざまに話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)
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初めて訪れたケニアで強盗に遭う
――まず、ケニアに行こうと思った最初のきっかけはなんだったのでしょう。
永松真紀さん(以降、永松) 大学時代に、アフリカの自然を歌ったさだまさしさんの曲『風に立つライオン』を聞いて行ってみたくなったんです。それで、1989年、21歳の時に一人旅ではじめてナイロビを訪れました。
――憧れのケニアはいかがでしたか。
永松 えっと、強盗に遭いました。
――なんと……それは厳しいファーストコンタクトになりましたね。
永松 街案内をしてくれていた自称・医学生が突然、強盗に変身して。「これまでいろいろ案内してやったんだからお前の一眼レフカメラをよこせ!」と、カメラを引っ張られましたが、殴る蹴るで応戦して取り返しました(笑)。結局、たまたま通りかかった車に助けてもらって事なきを得たんですけどね。
移住を決意させたケニアの魅力とは
――すごい度胸です。「添乗員として世界をくまなく回った結果、住みたいと思った場所がケニアだった」とホームページに書かれていましたが、嫌な目に遭ったのになぜ移住したいと思えたのでしょうか?
永松 『風に立つライオン』にも、美しいだけではないアフリカの現実を思わせる歌詞が出てきますが、リアルをこの目で見たら、「もっともっと知りたい!」と思ってしまったんですよね。危険に惹かれてしまう性分なんです(笑)。
――移住を決意させたケニアの魅力、他にどんなところがありますか。