ふわふわのパニエにフリルにリボン……17歳の頃、そんなロリータファッションの虜になったという青木美沙子さん(40)。ロリータモデルとして活躍しながら、正看護師の仕事を続けています。
ここでは、青木さんの著書『まっすぐロリータ道』(光文社)より一部を抜粋して紹介。マッチングアプリを使って婚活した際、ロリータに対する男性の「偏見」を感じたという青木さんの出した答えは——。(全2回の1回目/後編を読む)
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ロリータ、婚活する
結婚したい……! 私は焦っていました。
32歳のころです。30歳前後で結婚して子供を産んで家庭を築く、または離婚してシングルマザーとして再出発するなど、周囲は人生の次のステップをどんどん踏み始めていました。独身の友達と集まっても、話題は恋愛か婚活が中心。私はといえば、ロリータモデルと看護師の仕事に没頭していて……あまりに没頭しすぎて、気づけばアラサーになっていたのです。
別に独身主義を貫くつもりはないけれど、ロリータを一生貫くことは決定、だとしたら、ロリータを続けながらの恋愛・結婚ってどうなんだろう? できれば35歳までには結婚したい。その前に2年くらいは交際したい。となると、逆算すれば、そろそろ出会っていなければならない時期なのです、運命の人と。でも、出会いがない。
モデルとして活動するロリータ界は、ほぼほぼ女性の園。ロリータを扱うメゾンのスタッフやイベント運営スタッフも女性ばかりです。看護師だって女性率激高で、同僚に男性が少ない。患者さんとの出会い? 私が今、訪問看護師として働く先の患者さんは、シニアかお子さんが中心。つまり、いないのです、私の活動範囲内に、恋に落ちそうな異性が。だからこそ、シングルのまま30代を迎えたともいえますが……。
これはマズい。どうしたら「出会い→交際→結婚」まで、あと3年でたどり着けるのか。悩んだ末に、最初の「出会い」をお膳立てしてもらうことにしました。マッチングアプリに登録してみたのです。同じようなアラサーの友達が何人か、マッチングアプリを使って本気で婚活していたので、私も思いきって身を投じてみる気になりました。