ふわふわのパニエにフリルにリボン……17歳の頃、そんなロリータファッションの虜になったという青木美沙子さん(40)。ロリータモデルとして活躍しながら、正看護師の仕事を続けています。

 ここでは、著書『まっすぐロリータ道』(光文社)より一部を抜粋して紹介。34歳の時に、ずっと非公表にしていた年齢を公表することになったきっかけとは——。(全2回の2回目/前編を読む)

『まっすぐロリータ道』より 撮影:中林香

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一か八かの賭け

 婚活を卒業した私は、それまで以上にロリータモデルという仕事について考えるようになりました。ロリータをめぐる世間のイメージがとてもネガティブだということは、折に触れて感じてはいたけれど、この婚活を通してあらためて思い知らされました。じゃあ、どうしたらロリータのイメージアップができる? これまでだってもちろん、そのつもりで長年活動してきました。ロリータ界における「青木美沙子」の認知度は、ほぼ100%でしょう。でも、結果が追いついていない。ということは、もっと違うやり方が必要ってこと?

「青木美沙子」を商品として見たとき、もっと価値を上げるには活動の場を広げなければ、という危機感を覚えました。ロリータモデル代表といっていい(と思う)私自身をブラッシュアップしていかなければ、ロリータの存在感を増すことは難しいのでは?

 

 広くマスメディアに露出して、私のことを発信したい――そんな考えに行き着いたのはこのときです。ロリータとは対照的に、ナースは社会的な信用があって印象もいい。だったら、そのふたつを生業にしている私の生き方が全国に配信されることで、ロリータを偏見なしに見てもらえるかもしれない。それがロリータの地位向上につながるかもしれない!……そんな希望がわいてきました。

 芸能事務所に入ろう! そう思い、思いついたらすぐ行動に移すのが、私のやり方。さっそく公式サイトにアクセスしてプロフィールを送り、何度かのやりとりを経て、無事に今の事務所に所属することができました。ロリータに関わる仕事は私がいちばん熟知しているので、その90%は、スケジュール管理から自分自身で行います。残り10%をお手伝いいただく「業務提携」というかたち、その柔軟な契約に、芸能界にも働き方改革が起こっていることを感じたのでした。