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出演者、スタッフが連続告白!『らんまん』を新発見する

18週以降は「覚悟を持って描いた」奥深いのに、わかりやすい…朝ドラ『らんまん』はいかにして生まれたか《制作統括が語る》

18週以降は「覚悟を持って描いた」奥深いのに、わかりやすい…朝ドラ『らんまん』はいかにして生まれたか《制作統括が語る》

制作統括・松川博敬氏が“理想”とする「2つのドラマ」とは

2023/07/22
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物語後半の見どころは?

 良質なドラマは優れたスタッフを育て、次の良質なドラマへとつながる。『らんまん』もまた、未来の「名作」の種を、見えないところで蒔いているのかもしれない。最後に、物語後半の見どころを聞いた。

©NHK

「前半までは可愛らしい印象だった万太郎と寿恵子ですが、後半に入ってどんどん円熟味を増していきます。今は子どもが産まれ、万太郎の植物学の業績も上り調子ですが、このしばらくあと、大きな試練が待ち受けています。それを2人でどうやって乗り越えていくのか。神木さんと浜辺さんの素晴らしい演技にご注目ください。

 それから、万太郎の栄光時代と対比して描かれる田邊教授の物語が、とても魅力的です。長田さんも、我々スタッフも、田邊のような“敗者”のほうにも思い入れがあるというか。人間は一面ではなく、多面でできている。光の裏には必ず影がある。このあたりのきめ細やかな描き方は、長田さんの脚本の真骨頂だと思います。14~17週の、万太郎 vs. 田邊の関係性を丁寧に描くシークエンスは見応えがあります。演出的にも跳ねたと思いますね」

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 松川氏いわく、物語は再来週(18週)以降「かなり覚悟を持って描いた」という新たなフェーズに突入するとのこと。しかし、このスタッフとキャストが作るドラマなら、どんな展開になったとしても、きっと心が震えるものを見せてくれるだろうという安心感がある。残り10週、万太郎と寿恵子、そして『らんまん』の世界を生きる人々の、これからの人生を見守っていきたい。

18週以降は「覚悟を持って描いた」奥深いのに、わかりやすい…朝ドラ『らんまん』はいかにして生まれたか《制作統括が語る》

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