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「どうせなら暴走族らしく“初代”をつけよう」

 ということで、「初代鬼風刃」に決まった。

 こうして史上初の本物のレディース総長によるユニット・初代鬼風刃は結成された。

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『笑っていいとも』に出演してあわやケンカに

 初代鬼風刃のデビューが決まって、いろんな雑誌、新聞のインタビューを受けた。

 悪いことをして“少女A”以外で新聞に載ることになるなんて……正直嬉しかった。

「うちら、実名で出るんだなぁ」

 初代鬼風刃全員でそう思った。

ステージに立って歌う、初代鬼風刃の5人(写真:筆者提供)

 取材では、同じ質問を何社からもされる。

「チーム名お願いします」

「どうしてCD出そうと思ったんですか?」

「目指すところは?」

 とかね。それに逐一答えていかなければいけないのだが、まだまだヤンキー感が抜けない私たちは、

「さっきも言ったよ」

 なんて、1日に7~8回も聞かれると最後は不機嫌になりだるい感じで答えていた。

 だけど、「目指すは、紅白歌合戦」

 そんな大きい夢をいつしか持つようになっていた。

 実は初代鬼風刃にリーダーはいない。置かない、いや、置けない。それぞれ頭を張ってきたメンバーをまとめるのは一苦労だとわかっていたので、どんなことでもみんなで話し合って決めることにした。

 雑誌、TV出演、レコーディングなど、仕事がある時はそれぞれ地元から通っていたんだけど、上京するとビジネスホテルに1~2週間滞在することもしばしば。そんなときの部屋割りはジャンケンで決めるようにした。みんな好みがあるからね。

 あとは、5人いると写真を撮る時にはセンターができてしまう。そんな時も公平にジャンケンで決めていた。“センターを決める”ってなんだかAKB48みたい? いや私たちがはしりかもね(笑)。

 こうして私たちは独自のルールでバランスをとりながら仲良く仕事をし、シングルCD2枚とアルバム1枚をリリースさせてもらった。

『笑っていいとも!』に出たこともある。アウトローな人を審査する企画で審査員をやった。

 最初にタモリさんに挨拶をしに楽屋を訪ねた。

「初代鬼風刃です、よろしくお願いします」

「あぁ、よろしくね」

 タモリさんは、テレビと同じで優しそうな雰囲気だった。

「ねぇ、見た? 本物だよ、サングラスかけてたね」

 私たちは完全にミーハー状態(笑)。